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TOYOTA GR010 HYBRID / Porsche 963
レース序盤フェラーリを追ったポルシェ勢
開幕戦カタールで勝利したポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、第2戦イモラ6時間レースでも、2台の「ポルシェ 963」がポディウムフィニッシュを達成。降雨によるコンディション変化の中、ポルシェ 963の6号車(ケビン・エストレ、アンドレ・ロッテラー、ローレンス・ヴァントール)が2位、5号車(マット・キャンベル、ミカエル・クリステンセン、フレデリック・マコヴィッキィ)が3位に入った。
現地時間午後1時、夏日ながらも比較的涼しいコンディションのなか、イモラ・サーキットを舞台に6時間のレースがスタートした。1周目、タンブレロコーナーのブレーキングでハイパーカー数台が接触し、早々にセーフティカーが導入される波乱の幕開けとなる中、2台のポルシェ 963は、予選でトップ3を独占した「フェラーリ 499P」勢を追う。
6号車をドライブしたヴァントールが4番手グリッドから、一時2番手へポジションアップした一方、5号車のマコヴィッキィもトップ5を走行。レース中盤、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの2台は上位陣の一角をキープする。
降雨による混乱を味方にポジションアップ
レース開始から4時間が経過した段階で、セーフティカー導入を挟み、コース上に雨が降り始める。トップにつけていたフェラーリの2台がウェットタイヤへの交換に手間取り、さらに滑りやすいコースで大幅にタイムロス。フェラーリ勢はポルシェ 963の5号車後方、6番手と7番手にまでポジションを落としてしまう。この結果、首位に立ったトヨタの7号車に続く、2番手にポルシェ 963 6号車が浮上した。
残り1時間となり、コースは部分的にウェットのままだったが、ほぼすべてのハイパーカーがドライコンディション想定してスリックタイヤに変更。最後のスティントを任されたポルシェ 963の6号車キャンベルは給油ストップを遅らせて3番手に浮上。2番手につけていたポルシェ 963の5号車エストレはトップのトヨタを猛追する。
燃料を節約しながらも、キャンベルは残り16分でトヨタの7号車とテール・トゥ・ノーズの展開に持ち込む。ところが、セーフティカー導入時の追い越しによる5秒のペナルティが加算されたことで、最後のアタックは失敗に終わった。それでもポルシェは6号車が2位表彰台を獲得し、ドライバーズ選手権におけるリードをさらに広げることに成功した。
激しいレースを走り切り、2位表彰台を獲得したエストレは、次のようにレースを振り返った。
「2位と3位を確保し、ポルシェにとって素晴らしいレースウイークになりました。正直、このような結果になるとは思っていませんでした。あともう少しで優勝できるところだったので、少し悔しいです。最終盤、トヨタよりも燃料が少し多く残っていたので、差を詰めることができましたが、あの段階でオーバーテイクは不可能だったと思っています」
「チームは競争力のあるマシンを投入し、懸命に働いてくれました。ただ、ドライではフェラーリやトヨタに比べてペースが足りなかったのも事実です。それでも適切な戦略と巧みなタイヤチョイスで、素晴らしい結果を持ち帰れました。とにかく、昨シーズンよりもずっといいポジションにいるのは確かです」