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Ferrari 499P
予選でトップ3を独占したフェラーリ 499Pだったが
エンツォ・フェラーリの名前を冠したアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(イモラ・サーキット)において、WECが開催されるのは今回が初。ホームレースとなるイモラ・ラウンドにフェラーリは必勝体制で挑み、予選では3台が揃ってハイパーラップ進出を果たした。
ハイパーポールでは、フリープラクティスから好調を維持していたフェラーリAFコルセの50号車がポールポジションを獲得。2番手にAFコルセの83号車(ロバート・クビサ、ロバート・シュワルツマン、イーフェイ・イエ)、3番手に51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョビナッツィ)が入り、フェラーリがトップ3を独占した。
3日間にわたり、イモラ・サーキットには実に7万3600人ものファンが訪れた。フロントロウに2台が並んだ「フェラーリ 499P」のシーズン初勝利を期待するティフォシたちのボルテージが最高潮に達する中、現地時間4月21日午後1時、1周4.909kmのクラシックサーキットを舞台に6時間のレースがスタートした。
序盤トップ快走も予想外の雨で後退
ドライコンディションでスタートした今回のレース、6時間のうち半分以上の時間、フェラーリ 499Pがトップをキープした。スタートから4時間を過ぎた段階で、フェラーリAFコルセのフェラーリ 499P 50号車が首位、51号車が2位を走行し、順調にラップを重ねていった。
ところが、その直後、コース上に雨が降り始める。当初は通り雨と予想されていたが、雨は強く降り続き、特に第3セクターでは激しく雨粒がコースを打ち付けることになった。この想定外のウエットコンディションによりフェラーリ勢は予定外のピットインを余儀なくされた上、ウェットタイヤへの交換にも手間取ってしまう。さらに、スリッパリーなコンディションに苦しめられた50号車と51号車は、ライバルに対して大幅なタイムロスを余儀なくされた。
この段階でフェラーリ勢に優勝の可能性がなくなり、50号車が4位、51号車は7位でレースを終えた。ただ、ドライアップ後の203周目には、50号車をドライブしたフオコが1分31秒794のベストラップを記録。悔しいレースを終えた50号車のニールセンは、次のようにコメントした。
「スタート直後から好調で、特にレース序盤は力強いペースで走ることができました。しかし、天候が変わったことで、後半は思うように走ることができませんでした。このようなレースでは、やはり完全に満足することはできません。ただ、今回のレースから貴重なデータをチームに持ち帰ることができましたから、パフォーマンスを向上させ、次戦スパにおいてベストを尽くします」
クラス優勝を達成した499Pの83号車
AFコルセの499P 83号車は、2番グリッドからスタートし、総合8位でフィニッシュ。クビサ、シュワルツマン、イエの3人は、レース中に力強いパフォーマンスを見せ、FIAワールドカップ・フォー・ハイパーカー・チームで今シーズン初優勝を飾っている。
2台のポルシェ 963勢を従えて、FIAワールドカップ・フォー・ハイパーカーチームの表彰台に上がったシュワルツマンは、以下のようにレースを振り返った。
「ここイモラで、フェラーリを応援してくれた多くのファンの前で、クラス優勝できたことを嬉しく思います。今回のレースウイークは、プラクティスと予選で高い競争力を発揮することができました。イモラ6時間レースのスタートをフロントロウで迎えることができたことを、あらためて誇りに思います」
「ただ、決勝レースは中盤にドライからウエットへと変化する天候に翻弄されることになりました。あのコンディションの変化がなければ、もっと良い総合順位を獲得できたはずなので、そこは少し残念です」