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RAYS VOLK RACING TE37 SAGA S-plus
輸入車にもフィットするTE37
2024年4月に富士スピードウエイで開催されたモーターファンフェスタでは、レイズのファンミーティングが今年も盛り上がりを見せていた。多種多様なレイズのホイールを履かせたクルマがずらりと並んでいるのだが、国産車が圧倒的に多くて、輸入車はちらほらあるという具合だった。そして装着率が圧倒的に高かったホイールは「TE37」だったように思う。TE37とジャパンメイドのスポーツカーは、昔からずっと変わらず多くのファンに愛されているのだと、ミーティングに参加して素直に思った。だからこそ、外来種のスポーツカーに履かせたTE37の姿が、とても新鮮な驚きとともに私の目に飛び込んできた。
真っ赤なボディが眩しいポルシェ・ケイマンGT4の足元には、TE37 SAGA S-plus(スポーツプラス)が収まっている。TE37は時代の流れに合わせて何度かモデルチェンジを行ってきた。クルマのハイパワー化、重量増が進み、ホイールに求められる要件も厳しさを増していくばかり。SAGA S-plusは2021年に登場しており、TE37史上最強の強度と剛性を誇る。特徴的な太い6本スポークデザインは保ったままで、従来のTE37より耐久力を15~17%アップ、剛性数値は約7%アップさせることに成功した。その秘密はスポーク裏面に施した肉抜き処理にある。これは難易度が高く世界的にもめずらしい仕上げだそうだ。レイズは「さらに軽く、さらに強く」をモットーに、オートメーション化と職人技を両立させながらホイールを作り続けてきた。デザインも変えず、質量もわずか3%増に抑えながらにして性能を飛躍的に向上させられるのは、長年のレーシング活動で鍛えられてきたノウハウに基づく技術力があるからに他ならない。
高強度の20インチもラインナップ
これなら420PSという高出力を叩き出すケイマンGT4を十分に受け止めることができるだろう。それにTE37の6本スポークは誕生してからもう30年が経っているというのに、最新型モデルに違和感なく似合ってしまうから不思議だ。しかし18インチまでのサイズでは、純正サイズが20インチとなるケイマンGT4には履かせられないという現実があった。ポルシェだけでなく、あらゆるスポーツカーが軒並み350mm径を超えるブレーキローターや、ビッグキャリパーを採用し始めたことを受けて、まず19インチ、次いで待望の20インチが発表された。もともと19インチは「TE37 Ultra」があったのだが、リバースリム構造のため大きなキャリパーには対応できなかったのだ。そのためSAGA S-plusでは特殊なリム形状を採用したノーマルリムで19インチ、20インチを実現している。しかも一般的にはリバースリムが強度的には優れていると言われるが、それを上回る強度を達成した。だからサーキットユースで惜しみなくケイマンGT4の性能を出し切ることだって、何ら不安はない。
オール・メイドインジャパンを頑なに守り抜くレイズの鍛造ホイールが、国産車だけでなく、世界的に名だたるレジェンドスポーツカーを足元から支える。「SAGA」という名が表す英雄は、レイズの伝統と未来を背負って、ますます世界へと羽ばたいていく。
REPORT/上之園真以(Mai AGENOSONO)
PHOTO/RAYS
MAGAZINE/GENROQ 2024年 8月号
RAYS VOLK RACING TE37 SAGA S-plus
【PRICE LIST】
VOLK RACING TE37 SAGA S-plus for Cayman(982H1)
ダイヤモンドダークガンメタ 20×10.0J 18万400円
ブロンズ(アルマイト) 20×10.0J 19万1400円
【問い合わせ】
レイズユーザーダイヤル
TEL 06-6787-1110
https://www.rayswheels.co.jp