レイズの定番ホイール「TE37 SAGA S-plus」がセンターロック機構対応

レイズの定番ホイール「TE37 SAGA S-plus」がセンターロック機構対応に「ポルシェ 911 GT3にも装着可」

レイズが「TE37 SAGA S-plus」にセンターロック機構を導入した。
レイズが「TE37 SAGA S-plus」にセンターロック機構を導入した。
レイズは今年7月に、TE37 SAGA S-plusに待望の20インチを追加したばかりだ。それによって対応できる欧州車の幅が広がり、世界に名だたるレジェンドスポーツカーの足元も支えるようになった。そしてついに、センターロック機構に挑む。屋台骨としてレイズを支え続けてきた英雄の、新しい物語が始まる。(GENROQ 2024年10月号より転載・再構成)

RAYS
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VOLK RACING TE37 SAGA S-plus

世界的にもめずらしい仕上げ

ポルシェを愛する大人たち。その中には若かりし頃、TE37を愛車に履かせて走り回ったスピード小僧(娘)も多く含まれているのではないだろうか。ポルシェとレイズ。両者が作り上げているものはまったく別物とはいえ、根幹が似ていると私は考える。特にボルクレーシングTE37を切り取って見ると、その根幹が色濃く出ているように思う。どちらも伝統を守りつつ、時代に合わせた進化を恐れない。ポルシェはついに911に初めてハイブリッドを導入し、新たなカタチでポルシェの魂を継承している。TE37も、今ではTE37 SAGA S-plusへと進化し、今年7月に待望の19インチおよび20インチを展開したばかりだ。これによって、純正ホイールサイズが20インチとなる、ポルシェの718ケイマンや、911カレラS(タイプ991)などのスポーツモデルを足元から支える存在になった。

レーシング直系の技術を惜しみなく織り込んだボルクレーシングと同じように、ポルシェの魅力として挙げられる「走り」には、レースでふんだんに鍛え上げられたというバックボーンがある。妥協を一切許さず、徹底して究極を追求したその「走り」は、レースマシンだけでなくストリートカーでも存分に味わうことができるようになっている。そしてポルシェは、レースに基づくノウハウやライドフィーリングを、ストリートカーにもより忠実に反映しようと、GTSやターボ、GT3といった上位モデルにセンターロックホイール機構を採用するようになった。

そこにレイズである。看板商品であるTE37 SAGA S-plusをもって、ポルシェの挑戦を受けて立った。初代TE37から数々のアップデートを経て2021年に登場したSAGA S-plusは、TE37史上最強の剛性と強度を誇っている。TE37のシンボルでもある太い6本スポークの裏面には、特殊な肉抜き処理が施されていて、従来のTE37と比較すると耐久力を約15〜17%アップ、剛性数値は約7%アップさせることに成功した。それに対して質量はわずか3%増で抑えられている。この肉抜き処理は難易度が高く、世界的にもめずらしい仕上げだそうだ。安全性能を数値的に評価しても、国の法定強度基準をはるかに上回っているレイズ独自の強度基準JWL+R スペック2を大幅にクリアしている。このホイールなら、センターロック機構に仕立てるのに申し分ない逸材だ。

レイズ魂を脈々と受け継ぐTE37で

それでも、レイズにとってセンターロックホイールの開発は挑戦だったに違いない。もともと、センターロックはナットが少ない分タイヤ交換が素早く行えることや、過酷なレースに適した剛性強度を持つというメリットがあるため、レーシングカーに採用されてきた。対して、乗用車は5穴もしくは4穴が主流で、センターロックのクルマを街中で見かけることはあまりない。それもそのはず、ホイールの脱着には特殊な工具が必要だし、その工具も含めセンターロック構造に関わる他の部品も、多穴ホイールと比較してかなり高額なのだそう。そのため市販車に採用されているケースはごく限られていて、これまではあまりなかった。ニッチなマーケット、ましてやアフターホイールメーカーという立場から見ると、なおのこと限定的なマーケットになる。そこに1996年から30年にわたってレイズ魂を脈々と受け継いできたTE37で挑むことに、レイズの本気度が伺える。

ポルシェとレイズと。例え闘う場所がストリートになったとしても、これからもそれぞれの挑戦を続けていくのだろう。彼らに息づくレーシングスピリットは永遠に涸れない。そして多くの人のカーライフを豊かにし続けるのだと思う。

REPORT/上之園真以(Mai AGENOSONO)
PHOTO/RAYS
MAGAZINE/GENROQ 2024年10月号

PRICE LIST

ダイヤモンドダークガンメタ/20×9.0J~12.0J:20万1300円~21万4500円
ブロンズ(アルマイト)/20×9.0J~12.0J:21万2300円~22万5500円

【問い合わせ】
レイズユーザーダイヤル
TEL 06-6787-1110
https://www.rayswheels.co.jp

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