「リープデザイン」が仕上げた2代目「マセラティ グラントゥーリズモ」のコンプリートカー

「リープデザイン」がいち早く完成させた2代目「マセラティ グラントゥーリズモ」のコンプリートカー

HYPER FORGED ESR × LEAP DESIGN MASERATI GranTurismo
HYPER FORGED ESR × LEAP DESIGN MASERATI GranTurismo
モダンマセラティに対して積極的なリープデザインが用意するマセラティへのオールラインナップ体制。2代目「グラントゥーリズモ」にも流麗なボディをスポーティに彩るエアロパーツやホイールを装備し、ハイレベルなコンプリートカーをいち早く完成させた。(GENROQ 2024年10月号より転載・再構成)

HYPER FORGED ESR × LEAP DESIGN
MASERATI GranTurismo

いち早く完成したコンプリートカー

「たとえ数などそう出回ることはなくても、やり続けることに意味がある。我々は何がなんでもオールラインナップ体制を敷く」と、リープデザインの代表を務める大畑剛志氏は言った。世界を代表するスーパースポーツ、ハイエンドカーに対して、その精悍な肉体をさらに鍛えるかのごとく各種ボディパーツを開発するが、とりわけモダンマセラティに対しては積極的だ。生まれ変わっていくマセラティすべてを追いかけてオールラインナップ体制を貫く。

だからこそ、2023年末にデリバリーが開始されたばかりの2代目グラントゥーリズモのコンプリートカーをいち早く完成させた。まだ存在自体が稀有にもかかわらず、早速、前後およびサイドのカーボン製エアロパーツなどがその流麗な肉体をスポーティに彩っている。

そんなリープデザインの活動を支えるのがハイパーフォージドである。今回もその例に漏れず。早速、足もとをESRに置き換えることとなった。個性的なスタースポークながらも、最新のスーパースポーツからハイエンドサルーン、ときにヘビーデューティカーにも似合うと評判のホイールである。そのマッチングの良さは、このグラントゥーリズモを見れば一目瞭然だろう。

リープデザインに限らずハイパーフォージドにしても、先代のグラントゥーリズモでの経験は豊富だ。だからといって今回はイチからマッチングを検討していった。2代目グラントゥーリズモは、グレカーレなどと同じく、大型バッテリーと電気モーターを搭載することを前提にとしたジョルジオプラットフォームの進化版をベースとする。フェラーリとの近似性が高かった初代とはまるで別物だ。足まわりの設定はアルファロメオ一連のモデルに近いという。そうした違いを見抜きながら、ミリ単位でオーダーメイドに対応していくのがハイパーフォージドらしさである。前10.0J×21インチ、後12.0J×22インチという設定は、純正に比べて前後とも1インチアップ。フロントは275/25ZR21、リヤは335/25ZR22もの極太サイズを飲み込ませた。

イタリアンブランドと見事に調和

フロントはセミコンケーブとして大径ブレーキシステムを巧く交わし、リヤは立体感にあふれるスーパーディープコンケーブへ。星型を構築する5つのスポークが、センターパートへ向かって大胆に落ちていく造形が美しい。一見、シンプルな造形に思えながら、数多くの設計ノウハウと、さらに膨大な加工時間が必要となるという。ホイール自体の造形美に加え、iiDロワリングキットでローダウンさせた足まわりのセッティング、そして先述したリープデザインのスポイラーやディフューザーなどが功を奏して、いかにもスーパーカーらしい姿カタチとなった。

フィニッシュは奥ゆかしく黒一色で。いかにも鍛造っぽい質感を訴えかけるブラッシュドブラックのディスクに、グロスブラックのリムとなる。ともにアナダイズド(アルマイト)加工による着色で、通常のペイントに比べてすこぶる耐久性が高い。エッジを効かせたデザインとともに表面の美しさも見ものだ。ディスクとリムとを繋ぎ止めるピアスボルトはクラシカルタイプとして、ホイールの中でそこだけがワンポイントのごとくキラリと光り輝く。こうしたコーディネートもまた、この歴史と伝統のあるイタリアンブランドと見事に調和しているようだ。

この開発車両は3.0リッターV6を搭載するモデナだったが、2代目グラントゥーリズモにはBEVモデルであるフォルゴーレも存在する。こちらはシステム出力560kWにして車量重量2260kgもあるが、それだけの要求性能を想定したモノづくりをハイパーフォージドは貫いている。リープデザインの思想と同じくたとえ数など出回らず、ともすればオンリーワンカーであっても、そこにニーズがあればどこまでもホイールマッチングを突き詰めていくのがハイパーフォージドである。

REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/中島仁菜(Nina NAKAJIMA)
MAGAZINE/GENROQ 2024年11月号

【問い合わせ】
ハイパーフォージド
TEL 072-256-6664
http://www.hyperforgedwheels.com/

【取材協力】
リープデザイン
TEL 06-6914-5511
http://leap-design.jp

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