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MG GOLEM × T-STYLE LAND CRUISER 250
通を唸らせるアートの領域にまで到達
「アウトドア&オフロードシーンで映えるワイルドなデザインながら、どこか都会的な雰囲気を内包するホイールを──」として生まれたのがクリムソンのMGブランドだ。アメリカの新しいトレンドを取り入れたMARTLE(マーテル)に端を発し、その中でSUV&ライトトラックに焦点を当てたブランドとして派生した。
トヨタ自動車のようにオールラインナップ体制を敷いて、人びとの生活を支え、なおかつカーカルチャーを牽引するクリムソンの中にあって、MGブランドはまるでランクルのような存在だ。だからこそ、こうして互いの最新作同士は、抜群の調和をもって呼応し合う。ランクル250に装着されたのはMG GOLEM(ゴーレム)である。2021年に登場したゴーレムのラインナップには、オフロード系としては大口径方向の20インチが用意されていた。それは、その後に登場したランクル250を待ち構えていたかのように、親和性の高いマッチングとデザイン性を持っていた。
オープンナットフェイスによってセンターパートの抑揚が強調されるディープコンケーブが、20インチというサイズ感の中でダイレクトに伝わってくる。ディスク自体はいかにも屈強な2×6本スポークであり、リムの部分で演出されるビードロック風デザインと、存在感のあるセンターキャップも個性を訴える。いかにもタフギアっぽさを感じさせながら、しかし決して大味というわけではない。エッジとやわらかみとを随所に宿したスポークデザインや、さりげなく入るブランドロゴなど、都会を彩るストリートアートっぽさも感じさせる秀逸なデザインだと思う。
ストリートアートとはいっても単なる落書きでは終わらない。それが通を唸らせるアートの領域にまで到達していると思わせるのは、実性能の高さが宿るからだろう。20インチはフローフォーミング製法を採用して強度や剛性を高め、ランクルの耐荷重性能を満足させるだけではなく、悪路走破性の高さを損なわないよう設計されている。実際、MGブランドは、巷に流通させる製品とまったく同じものを使って、長年にわたってアジアクロスカントリーラリーに挑戦して結果を残してきた。まるでクルマが軽くなるような感覚で機敏に動くようになるとドライバーは訴え、道なき道で飛んだり跳ねたりしても破損したケースもないという。そうした意味ではラリーレイドという過酷なフィールドで鍛えられたブランドであり、先述した数あるデザイン性の高さは“機能美”だと捉えてもよさそうだ。
20インチという程よい大口径感
今回、T.S.D(ティースタイル)が着こなすこのランクル250には、前後とも9.0J×20インチのゴーレムに、純正よりわずかに太い275/60R20のトーヨー・オープンカントリーA/Tが組み合わされた。20インチという程よい大口径感がありつつ、タイヤも適度に肉厚で、これがストリートでめっぽう映える。上質ながら頼り甲斐のあるライドフィールだって持っている。
と、足もとを変えただけで、まるでストリート系ランクル250モディファイのお手本のような存在となる。肩肘張らず本物を着こなす感覚は、確かにストリートカルチャーであり、それはランクル250とMGゴーレムがあれば実現できる。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2025年2月号
PRICE LIST
MG GOLEM
MAT BLACK/8.5~9.0J×20インチ:8万8000円~9万4600円
BLACK × MACHINING LIP/8.5~9.0J×20インチ:9万200円~9万6800円
【問い合わせ】
クリムソン
TEL 06-6180-1511
https://www.crimson-inc.co.jp
【取材協力】
T.S.D(ティースタイルオートセールス)
TEL 045-342-7757
https://www.t-style08.com