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“匠”からの贈り物
日本で発展したクロカン四駆文化のなかで、4×4(フォーバイフォー)エンジニアリングサービスは最高峰のアフターパーツメーカーであり、好きものにとっては永遠に憧れるような存在だ。ダカールラリーなど国際的ラリーレイドや、各種トライアルレースで技術を磨き、それを一般に提供してきて早半世紀以上が経つ。
彼らのプロダクトはいつも「機能+質感+デザイン」を高次元で融合させるというが、象徴的なアイテムがオリジナルホイールだろう。「最高の4WDホイールをつくる」という極めてシンプルな思想のもと、純国産アルミホイールとして走り出した「BRADLEY(ブラッドレー)」は、誕生から42年を迎えた。時代やモデルごとに設計手法やデザインを変えて最適解を導き出してきた。より重量化や大口径化へ進む昨今の自動車トレンドを踏まえて、日本最高峰の裂開鍛造製法を取り入れて20インチへと進化させた。その名もブラッドレーフォージド匠だ。シリーズの“顔”である5スポークを踏襲しながら、裂開鍛造らしい質感を持ち、シャープな造形に磨きがかかった。
日本最高峰の鍛造製法
それが国産クロカン勢にとどまらず、こうしてGクラスにも寄り添った。オフロードの酸いも甘いも嚙みわけてきた彼らなだけに、同じ主義主張を持つGクラスには多大なるリスペクトを抱いていた。だから互いが寄り添うかのごとく、Gクラス用ブラッドレーフォージド匠を完成させた。
製品名に添えた“匠”という名前には意味がある。鍛造の基本となる素材や型から含めて、装着する車種の要求性能に応じた車種別専用設計を貫く“匠の技”が秘められている。Gクラスに対しては、その耐荷重性はもちろん、悪路を許容する信頼耐久性、そしてブレーキサイズなど各寸法を見越したうえでGクラスは9.5J×20インチ(+25)というサイズへ。一例として今回はW463型AMG G 63に組み合わせていたが、AMGキャリパーとのクリアランスを含めてマッチングは抜群だ。これはW463A型に対しても装着できる。
実にセンスの良いオーバーランドスタイル
このAMG G 63は、肉厚なニットー・リッジグラップラー(305/50R20)を履いて、なおかつルーフにはフロントランナーのラックと、ダーチのルーフテントを載せた、いわゆるオーバーランドスタイルでまとめた1台だった。Gトレーディングのサイドラダーやサイドステップ、ヘッドライト&ブリンカーガードなどの小技も効かせている。砂漠や森林、岩場などを走破し、野宿をしながら大陸を長距離移動する旅の相棒である。だからこそ、命の危険にさらされるような僻地で、安全・安心を約束し、かつ最高の仕事をする一助となるプロツールばかりが欠かせない。
アウトドアスタイルの究極系
ブラッドレーフォージド匠は、最高峰のオーバーランドスタイルの世界観をきっちり受け止めながら、悪路であっても難なく使い倒せる“高性能”が宿る。それはどこか孤高のオーラを持って都心のコンクリートジャングルにもすっと馴染み、秘めたる筋肉をわずかに主張しながら寡黙に旅を待っている光景がとても印象的だった。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/真壁敦史(Atsushi MAKABE)
MAGAZINE/GENROQ特別編集「G-CLASS MAGAZINE vol.2」
PRICE LIST
BRADLEY FORGED 匠
9.5J×20inch:17万8200円
【問い合わせ】
フォーバイフォーエンジニアリングサービス
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【取材協力】
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