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TWS Exlete 109M Monoblock
時間軸を超越した美しさと実性能を両立




いかにもTWSらしい世界観を感じさせる新作が、2025年の東京オートサロンの場にやってきた。その名をExlete(エクスリート)109Mモノブロックという。この新作を理解するため、まずは製品名に注目したい。
エクスリートはTWS持ち前の切削鍛造製法を活かし、あらゆる車種カテゴリーに対して時間軸を超越した美しさ、そして実性能を宿らせる一連のシリーズだ。“ユーロスポーティスタイル・ドレスアップブランド”という言葉でも括られる。その製品展開は多岐にわたるが、109Mとは9交点メッシュを表し、モノブロックは名前の通り1ピースホイールとなる。エクスリートシリーズとして初めて9交点メッシュに挑んだ意欲作だという。
とはいえ、やみくもに9交点を描いたわけではない。さまざまな交点メッシュで理想像を追求するTWSである。彼らならではの高度かつ緻密な設計開発能力を活かしたノウハウが凝縮されている。まずはロングセラーモデルとなった107Mモノブロックと、そしてTWSとしては初めて23インチをラインナップした310Mエグゼ・モノブロック、その双方に宿る技術的発想と、デザインエッセンスを融合させたものだという。前者は7交点にして17~20インチ、後者は10交点の23インチであり、その間を埋めるボリュームゾーンとして109Mモノブロックは20、21インチとなった。ひとつの製品ながらも、サイズにより3つのフェイスを用意し、世界各国のプレミアムカーを対象とした。だからこそセンターパートはサークル状ですっきりと窪ませている。世のタフギア系SUVを想定したラージP.C.D.にも対応させるためだ。今回、発表されたのは最大で5×120だが、設計開発の時点ではランクル系などでお馴染みの6×139.7まで視野に入れたという。
それだけの耐荷重性能を持たせるのは大前提だ。世界中のハイパフォーマンス&タフギアを十分に受け止めるだけの信頼耐久性が宿る証である。今回は9交点かつ18箇所のリム接点を武器として、特に剛性と静粛性の確保に注力したという。BEVや大型SUVの普及などモータリゼーションでの“重量増加”が加速するトレンドに対しての回答でもある。
最高峰のすべてを凝縮したかのような




なのに過度に無骨な雰囲気とはならず、あくまで優美なスタイリングを持っているのもまたTWSらしい。リムへ向かって極限まで細くなっていく様が印象的で、なおかつディテールはいかにも切削鍛造らしさを感じさせる。先述した円形に窪ませるセンターパートはスポーツホイールで一般化するアプローチながら、109Mモノブロックはどこまでもエレガントだ。もちろん、その裏地にスポーツホイールを超えるような“高性能”を秘めながらにして。
それを象徴するのが、東京オートサロンでの発表の際に主役として展示されていたプロサングエなのかもしれない。車両重量は2210kgもあり、搭載される6.5リッターV12は725PS、716Nmもの出力性能を持つ。フェラーリらしい走行性能をSUV(CUV)的パッケージで成立させながら、快適に普段使いできる日常性能も兼ね備えている。もちろん、そのスタイリングはスポーティかつエレガント。「最高峰のすべてを凝縮した」かのような存在にもまた、109Mモノブロックはしっくりと馴染んでいた。
もっともこれは純正ホイールと同等サイズのフロント22インチ、リヤ23インチであり、現時点でこのサイズは参考出品だという。とはいっても、要求性能を十分以上に満たしながらこの大径サイズを設計開発、生産できる技術がTWSにはある。市場の声が募れば、先に述べたラージP.C.D.への対応と同じく、市販化されるかもしれない。そうした意味で109Mモノブロックの物語は始まったばかり。ジャンルを問わず、あらゆるプレミアムカーの世界で花開く可能性を秘めている。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/中島仁菜(Nina NAKAJIMA)
MAGAZINE/GENROQ 2025年4月号
PRICE LIST
8.5J~10.0J×20インチ:21万7800円~22万4400円
8.5J~10.5J×21インチ:22万8800円~23万7600円
【問い合わせ】
TAN-EI-SYA WHEEL SUPPLY
TEL 0766-86-0117
http://www.tws-forged.com