「ランボルギーニ レヴエルト」をMVフォージドのホイールとイノゼテックのカラーで仕上げる

MVフォージドのホイールとイノゼテックのカラーで仕上げたネイビーの「ランボルギーニ レヴエルト」

ランボルギーニの新解釈、映えるモダンシック
ランボルギーニの新解釈、映えるモダンシック

MV FORGED & INOZETEK
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Lamborghini REVUELTO
Bond Nagoya

一瞬ブラックに見紛うほどの濃いネイビー

「映える」という言葉が聞かれるようになったのは2017年頃。SNSの普及とともに急速に認知された新語が、今では国語辞典に載っている。改めて言葉の意味を調べてみた。「見ると、驚いたり感じ入ったりしてしまいそうな、まわりから見ると浮き立つ良い雰囲気を醸し出している」(三省堂現代新国語辞典)

映える。私が目にしたクルマの第一印象はこれだったのだ。レヴエルトの実車を見るのは初めてということもあり、ランボルギーニならではの迫力に気圧されるかと思いきや、何かいつもとはひと味違う、猛牛との初対面となった。何かが心に引っ掛かる。良い意味での違和感というのか、それこそ驚いたり感じ入るポイントがいくつかあった。

まずはボディカラー。一瞬ブラックに見紛うほどの濃いネイビーに覆われている。派手さとは対極にあるボディカラーは、イノゼテックのカラープロテクションフィルムによって叶えられている。これはイノゼテックたっての願いで、アパレルブランドであるSEQUEL FRAGMENTとのコラボレーションが実現したもの。1月に開催された東京オートサロン2025で2色の限定カラーが発表された。そのうちの1色が、この個体が纏うSQ102 ソリッドネイビーである。

こだわり抜いた絶妙な色彩バランス

MVフォージドの中でも人気の高いヘリテージシリーズは、現代版の解釈を加えたクラシカルなデザインが特徴的。すべてのホイールはデザイン性の高さだけでなく、元工作機械のエンジニアである会長が持つ高い技術力とノウハウが凝縮されている。繊細な線が交差してつくり上げる花のような模様が美しい。
MVフォージドの中でも人気の高いヘリテージシリーズは、現代版の解釈を加えたクラシカルなデザインが特徴的。すべてのホイールはデザイン性の高さだけでなく、元工作機械のエンジニアである会長が持つ高い技術力とノウハウが凝縮されている。繊細な線が交差してつくり上げる花のような模様が美しい。

私の感じた違和感は、このネイビーとランボルギーニという組み合わせによるのかもしれない。ネイビーは後退色と呼ばれ、全面に出て主張する赤や黄のような色とは違って、後ろに控え、締まって落ち着いて見える色だと言われている。ビジネスやフォーマルのシーンで重宝されるのも納得だ。比較的派手に飾り立てられることの多いランボルギーニに、あえて落ち着いたシックな色を着せ、メタリックやパール感が一切ないソリッドネイビーで、黒には出せない軽快感を少しだけプラスオンしている。写真で伝えるには限界があるが、陽の光を受けた時の上品なツヤ感がぜひ読者の皆さんに伝わってほしいと願う。実際、このカラーフィルムはイノゼテックから何度もサンプルが送られてきては、修正を繰り返した末にようやく誕生した色らしい。こだわり抜いた絶妙な色彩バランスが、新鮮さを与え、主張せずしてかえって目を惹きつけるように思う。

幸いにも私は、このクルマのオーナー氏に直接話を聴くことができた。彼のクルマへのこだわりは「やりすぎないけどひと手間加えて、ありそうでなさそうなカスタムを入れて自分の色を出すこと」だという。彼が他に持っているクルマを全部並べた時に、すべてが同じオーナーだとひと目で分かるくらいに統一感のあるオリジナリティを随所に散りばめることにもこだわっているそうだ。

足元に舞うシックな華やかさ

そのオリジナリティはホイールにも宿る。今回は、ボンド名古屋店の飯村洋平氏の協力のもと、MVフォージドにデザインから起こして作ってもらったそうだ。出来上がったのが、フロントに収まる3ピース鍛造ホイールHS20Fである。レヴエルトはアヴェンタドールなどと比較してリム幅が取れないことから、センターディスクをコンケーブティスクにして立体感を投入した。センターが落ちくぼんでいることで、陰影が生まれ単調な印象が一変する。リヤホイールの選択はフロントと異なり、MVフォージド・ヘリテージシリーズのHS20とした。2つのホイールは、どちらもオールグロスブラックで、似ているようではあるが、それぞれに少し違ったオーラを放つ。でもどちらも、黒一色なのに、繊細な編み目を描くようなラインがホイールいっぱいに広がり、シックな華やかさが足元に舞う。まるで水引の華結びのようで、ほんの一瞬、和のテイストがブレンドされているようにも思えた。

エンジンがかかると、いきり立つ猛牛の鼻息が聞こえてくる。ようやく、これはランボルギーニだったのだと思い出す。私が出会った、史上ナンバー1の「映える」ランボルギーニだとしみじみ思う。

REPORT/上之園真以(Mai AGENOSONO)
PHOTO/山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2025年4月号

【問い合わせ】
ボンド名古屋
TEL 052-602-6655
http://www.hosokawa.co.jp

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