最新ミドシップ「アストンマーティン ヴァルハラ」生産仕様が日本初披露

“1億3000万円”のアストンマーティン最新ミドシップスーパースポーツ「ヴァルハラ」生産仕様が日本初披露

アストンマーティン最新ミドシップ「ヴァルハラ」
アストンマーティン最新ミドシップ「ヴァルハラ」
アストンマーティンの最新プラグインハイブリッドスーパースポーツ「ヴァルハラ」の生産仕様が日本でお披露目された。4.0リッターV8ツインターボに3基の電気モーターが組み合わせられ、システム最高出力1079PS、システム最大トルク1100Nmを発揮する999台限定モデルだ。

Aston Martin Valhalla

999台限定のミドシップPHEVスーパーカー

公道とサーキットの双方で圧倒的な走行性能を発揮することを目指したプラグインハイブリッド(PHEV)スーパーカー「アストンマーティン ヴァルハラ」の生産仕様が日本で初披露された。2022年にも日本でお披露目されたヴァルハラだが、当時はまだプロトタイプのモックアップであった。今回は生産仕様となっており、ミドにはエンジンも搭載されていた。現在、開発は最終段階を迎え、英国ゲイドンで生産ラインが稼働しはじめたところだという。

今回展示されたヴァルハラはルナホワイトに、ビビッドオレンジの差し色が施された展示用車両だ。ゲイドンを出発して初めて展示されたのが、この日本であり、それだけ重要な市場であることの表れだという。すでに登場しているミドシップスーパーカーの「ヴァルキリー」がAM-001、「ヴァルキリーPRO」がAM-002とコードナンバーが与えられていたが、このヴァルハラはAM-003ということで、展示車両のドアには「03」のナンバーが掲示されていた。

専用設計となるカーボンファイバー製タブには、新開発の4.0リッターV型8気筒ツインターボが搭載される。これに3基の電気モーターを組み合わせて、システム最高出力1079PS、システム最大トルク1100Nmを発揮する999台限定のミドシップPHEVスーパーカーである。

ヴァルキリーを超える1079PS

アストンマーティン史上最高レベルのパフォーマンスを誇るこのV8エンジンはヴァルハラが初搭載となる。DBX707などにも搭載されるAMG製4.0リッターV8ツインターボだが、フラットプレーンクランクシャフト、ドライサンプを採用した先代「メルセデスAMG GT ブラックシリーズ」のM178型4.0リッターV8ツインターボをベースに、さらにビスポーク化を進めて、エンジン単体で最高出力828PSに達するという。

フロントに2基、リヤに1基、合計3基で最高出力251PSを発揮する電気モーターと、これも初搭載となる8速DCTを組み合わせて、システム最高出力1079PS、システム最大トルク1100Nmを発揮するという。カーボンファイバー製タブのおかげで乾燥重量は1655kgとPHEVとしては軽量。最高速は350km/h(電子リミッター)、0-100km/h加速は2.5秒を誇る。なおPHEVだけあって、アストンマーティン初となるフロントモーター駆動によるEV走行も可能だ。航続距離は14kmと控えめ。

デビュー当初、950PSを目標とされたシステム最高出力はV8エンジンとモーターの高出力化でヴァルキリー(1014PS)を超える1079PSにまで高められた。これはもちろん近年の目覚ましい技術革新もあるが、コロナ禍や経営体制の変更などで開発が滞った間に、高い性能を持つ競合モデルが誕生したこともあるという。

F1由来のエアロダイナミクス

フロントサスペンションはインボードで、フロントボンネットフードの隙間から覗く演出が用意される。もちろんこのデザインはホイールアーチ内の整流効果を高めるためで、F1由来のエアロダイナミクス技術を垣間見ることができる。リヤは5リンク式サスペンションでアウトボードとなる。

前後のウイングは可変式で、240〜350km/h走行時に600kgを超えるダウンフォースを発揮するという。なおアクティブエアロダイナミクスは、速度が増すにつれてフロントとリヤウイングの迎角を徐々に小さくすることで、過剰なダウンフォースを減少するという。2基のフロントモーターはもちろんトルクベクタリング機能を備え、リヤ電子制御ディファレンシャル(Eデフ)の効果もあって、高度なコーナリング性能と高いトラクション性能を実現していると予想される。

すでに第2四半期から生産がスタートしており、999台の半分はデリバリー先が決まっているという。車両本体価格(税込)は1億2890万円となっている。

PHOTO/GENROQ、アストンマーティン・ジャパン・リミテッド

SPECIFICATIONS

アストンマーティン ヴァルハラ

ボディサイズ:全長4727 全幅2014 全高1161mm
ホイールベース:2760mm
車両重量:1655kg(Dry)
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:4.0リッター
エンジン最高出力:609kW(828PS)
モーター最高出力:185kW(251PS)
システム最高出力:793kW(1079PS)/6700rpm
システム最大トルク:1100Nm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前プッシュロッドインボード 後5リンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前285/30ZR20 後335/35ZR21
最高速度:350km/h
0-100km/h:2.5秒
燃料タンク:65L

【問い合わせ】
アストンマーティン・ジャパン・リミテッド
TEL 03-5797-7281
https://www.astonmartin.com/ja

英国の公道で検証テストを行う、アストンマーティン ヴァルハラ。

限定999台のスーパースポーツ「アストンマーティン ヴァルハラ」がスペインと英国の“最終検証テスト”を実施

アストンマーティンは、ミッドシップハイパースポーツ「ヴァルハラ」が、スペインの車両テスト施設「イディアダ」と英国において最終検証テストを完了したと発表した。ヴァルハラは、2025年第2四半期から限定999台の生産を開始する予定だ。

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著者プロフィール

吉岡 卓朗(Takuro Yoshioka) 近影

吉岡 卓朗(Takuro Yoshioka)

大学卒業後、損害保険会社に就職するも学生時代から好きだったクルマのメディアに関わりたいと、1999年に…