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MINI JOHN COOPER WORKS
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BMW M135 xDrive
余裕のボディサイズを持つM135 xDrive




今回は「MINI」と「BMW 1シリーズ」のそれぞれスポーツグレードを比較する。MINIのラインナップにおいて、最高レベルのパフォーマンスが与えられた「MINI ジョン クーパー ワークス」。3ドア、コンバーチブル、エースマン、カントリーマンと多くのボディバリエーションを持つ「JCW」の中から、今回取り上げるのは内燃機関(ICE)を搭載する3ドア仕様。対する「BMW M135 xDrive」は、エントリーハッチバック「1シリーズ」屈指の走行性能を誇るスポーツモデルだ。
同じBMWグループのエントリーモデルという立ち位置にある、MINI クーパー 3ドアとBMW 1シリーズ。どちらもブランドを主張するアイコニックなスタイリングが特徴。サイズに関してはセグメント上位のM135 xDriveが全長で495mm、ホイールベースで175mm大きい。MINIのコンパクトなボディは、市街地における取りまわしの良さという美点を持つ。
MINI ジョン クーパー ワークス
ボディサイズ=全長3875mm×全幅1745mm×全高1455mm
ホイールベース=2495mm
車両重量=1350kg
タイヤサイズ=215/45R17
BMW M135 xDrive
ボディサイズ=全長4370mm×全幅1800mm×全高1450mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1570kg
タイヤサイズ=225/45R18
パワー差とトラクション性能でJCWを圧倒




MINI ジョン クーパー ワークスは、最高出力231PS、最大トルクは380Nmのスペックを持つ2.0リッター直列4気筒ガソリンターボを搭載。ICE仕様よりもパワフルな258PSを発揮し、最大航続距離421kmが確保されたBEV仕様もラインナップする。一方、M135 xDriveは最高出力300PS、最大トルク400Nmを発揮する2.0リッター直列4気筒ガソリンターボに「xDrive」システムを組み合わせ、全輪を駆動する。
MINI ジョン クーパー ワークスは車両重量がM135 xDriveよりも210kg軽いが、69PSものパワー差とAWDによるトラクション性能によるアドバンテージは大きく、0-100km加速はM135 xDriveが1.3秒も上まわることになった。最高速はどちらのモデルもリミッターで250km/hに制限される。
MINI ジョン クーパー ワークス
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1998cc
最高出力=231PS/5000rpm
最大トルク=380Nm/1500〜4000rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=FWD
最高速度=250km/h
0-100km/h加速=6.1秒
BMW M135 xDrive
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1998cc
最高出力=300PS/5750rpm
最大トルク=400Nm/2000〜4500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=AWD
最高速度=250km/h(リミッター)
0-100km/h加速=4.8秒
ゴーカートフィーリングか、5ドアの実用性か


新世代MINI共通のコクピットは、直径240mmの有機EL大型円形センターディスプレイを中心にレイアウト。ダッシュボードにはMINI共通のテキスタイル風マテリアルが導入された。M135 xDriveは、10.25インチインフォメーションディスプレイと10.7インチコントロールディスプレイで構成された「BMWカーブドディスプレイ」を搭載。センターコンソールのセレクターレバーが小型化され、すっきりとした室内空間を実現している。
リヤシートの居住性や380Lが確保されたラゲッジルーム、実用性や質感に関しては、セグメント上位のM135 xDriveに軍配が上がる。178万円という価格差はあるものの、家族の移動手段+走行性能を求めるのであれば、M135 xDriveということになるだろう。
ただ、MINIにしかない内外装の雰囲気、ショートホイールベースだからこそ手にできる俊敏な“ゴーカートフィーリング”は、得難い魅力だ。そこに実用性を加えるためにも、現時点で本国でも販売されていないが、JCWのラインナップに5ドア・ハッチバック仕様の追加を願っておこう。