歴代Zからの系譜を受け継ぐ最新の“ズィーカー”を日本公開

新型フェアレディZが来た、見た、走った! 2022年6月に販売スタート 【東京オートサロン2022】

東京オートサロン2022の屋外会場で走りを公開した新型フェアレディZ。フロントビュー
東京オートサロン2022の屋外会場で“走り”を公開した新型フェアレディZ。DJ・ピストン西沢氏がドライバーを務め、スモークを巻き上げながらのドリフト走行を披露した。
日産自動車は、「東京オートサロン2022」(2022年1月14〜16日開催)で新型フェアレディZのジャパンプレミアを敢行。2022年6月下旬頃から販売をスタートすると発表した。

7代目フェアレディZの国内仕様がお目見え

東京オートサロン2022で国内公開された新型日産フェアレディZ。フロントビュー
東京オートサロン2022で国内公開された新型ニッサン フェアレディZ。販売開始は2022年6月下旬を予定している。

今回の「東京オートサロン2022」(2022年1月14〜16日開催)で、最も注目度の高かったメーカーブースは日産自動車だろう。理由はもちろん新型フェアレディZ。2021年8月にニューヨークでワールドプレミアしたばかりの最新スポーツの日本市場向け仕様が、いよいよ国内公開となったのである。

今回日産は、新型フェアレディZの日本市場向けモデルを公開するとともに、2022年6月下旬に販売スタートする旨を発表。加えて、導入時の特別仕様車として「Proto Spec(プロトスペック)」を発売することも明らかにした。

240台の限定車は2月7日に応募受付開始

東京オートサロン2022で国内公開された新型日産フェアレディZ。サイドビュー
東京オートサロン2022で国内公開された新型ニッサン フェアレディZは、誰もがひと目見て「Z」と分かるデザインを採用。初代Z(S30)のシルエットを現代的に再解釈している。

新型フェアレディZにとって最初の特別仕様車となる「Proto Spec」には、2020年に公開したプロトタイプモデルから着想を得た内外装が与えられている。「イカズチ(雷)イエロー」とブラックの2トーンカラーのボディに組み合わされるのは、専用のレイズ製19インチアルミ鍛造ホイール。それぞれのホイールからはイエロー塗装のアルミキャリパー対向ピストンブレーキが覗くなど、一目で“違い”を主張する佇まいとなっている。内装にもイエローのアクセントが随所に加えられ、MTシフトノブブーツやニーパッドにも専用ステッチが施されている。

「Proto Spec」の車両価格は696万6300円。240台の限定販売となり、注文はオンラインで受け付ける。応募開始は2022年2月7日を予定しており、申し込み多数の場合は抽選になるという。

S30から始まったズィーカーの伝説

東京オートサロン2022に展示された新型日産フェアレディZのカスタマイズモデル
東京オートサロン2022に展示されたフェアレディZのカスタマイズモデル。初代S30に設定された伝説のモデル「フェアレディZ 432R」をモチーフにしている。

日産がZをもう一度作る。自動車好きなら心が躍らないはずがない。フェアレディZは、ダットサン フェアレディシリーズの後継として1969年10月に初代S30型がデビュー。手頃な価格帯で買えて日常的に使える魅力的なスタイリングのスポーツカーとして、北米では“ズィーカー”の愛称で人気を得た。また、東アフリカ・サファリラリーやスポーツカーレースなどのモータースポーツシーンでも活躍し、性能の高さをアピールした。ロサンゼルスのアメリカ日産本社では、当初用意した2千台があっという間に完売、販売店から連日「もっとよこせ」と矢の催促をうけたという逸話も初代S30には残されている。

2代目・S130型は1978年にデビュー。排気量2000ccと2800ccの直列6気筒エンジン(L型)を搭載。北米では2800ccを積んだボブ・シャープ・レーシングの赤・白・ブルーのカラーリングの280ZXがIMSAで暴れ回った。ポール・ニューマンがドライバーを務めたことも広く知られる。ボディをフラッシュサーフェイス化した3代目(Z31型)は1983年に登場。空力性能を向上するために「パラレルライジングヘッドランプ」と呼ぶセミリトラクタブル式ライトを採用した。“日本車のヴィンテージイヤー”ともいわれる1989年には4代目のZ32型へフルモデルチェンジ。10年以上のモデルサイクルで長く愛された。

2000年にZ32型がカタログ落ちし、一時名前が途絶えるものの、2002年にZ33型として復活。発表会では当時の社長カルロス・ゴーンが「日産は復活した」と宣言、その象徴としての新型Zだった。現行モデルのZ34型は2008年に登場。ホイールベースを5代目より100mmも短縮し機動性の高さを追求するとともに、ワイドトレッド化でスタビリティを向上した。エンジンルームやバックドアの開口部を包み込むような環状構造、三角形のトライアングルタワーバー、ダイアゴナルブレイスの配置などにより、ボディ剛性を大幅に高めたこともトピックであった。

「沢山の人が楽しむことのできる夢のクルマ」

東京オートサロン2022の屋外会場で走りを披露した新型日産フェアレディZ
ボディはエンジンフードとドアパネル、バックドアパネルがアルミ製。機械式LSDやローンチコントロールを標準装備し、タイヤは前255/40R19、後275/35R19を装着する。デュアルエキゾーストパイプも全車に装備している。

そして2022年。いよいよ7代目“貴婦人”が誕生する。全長4380×全幅1845×全高1315mm、ホイールベース2550mのボディは、歴代Zの流れをその造形に凝縮させている。ロングノーズから流れるように上昇するルーフライン。その先にある垂直に切り立つテールエンド。そしてフロントフェンダーよりわずかに低く、なだらかに傾斜していくリヤのデザインは、初代S30型のシルエットを彷彿させる。「()」を縦にしたようなLEDヘッドライトのデザインは、240ZGのGノーズにオマージュしたもの。Gノーズのフロントフェイスを特徴づけているあの透明のカバーは、光を反射して独特の丸いリングを作り出していた。その面影を、新型ではLEDのグラフィックにより表現しているのだ。2段に重なった横長のテールランプは、もちろん300ZXのそれに通じるデザインである。

新型Zには、VR30DDTT型の3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載する。最高出力405ps/最大トルク475Nmの力強い心臓に組み合わせるのは、操る歓びをもたらす6速MT(もちろん9速ATを選択することも可能)。ローンチコントロールやシンクロレブコントロールも装備しており、正攻法からスポーツドライブを楽しむことができそうだ。

日産のスポーツカーづくりのキーパーソン、田村宏志チーフプロダクトスペシャリストは、フェアレディZについてこんな風に語っている。

「Zは人の記憶に残るクルマです。日産車ならではのパワーとデザインのバランスが大元にあるのはもちろん、多くの顧客にとって手の届きやすい存在であることもすごく大切。沢山の人が楽しむことのできる夢のクルマ、それがZなんです」

フェアレディZは、20世紀の人々の夢となり、文化になり、パートナーになった。新時代のZは、我々にどんな夢を見せてくれるのだろうか。

ブリヂストンの東京オートサロン2022ブース。ニッサン Z GT500

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公式YouTubeチャンネルでフェアレディZ発表披露イベントをチェック!

著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…