ランボルギーニGIROジャパン2022に参加して食べ、遊び、そして走った記録

ランボルギーニで長野を駆け巡る! 毎日が移動祝祭日のランボルギーニGIROジャパン2022とは?【動画】

日本の景勝地をツーリングするランボルギーニGIRO Japan。GIROとは周遊や旅行を意味するというイタリア語。
日本の景勝地をツーリングするランボルギーニGIRO Japan。GIROとは周遊や旅行を意味するというイタリア語。
年に一度、ランボルギーニのオーナーが集まり、日本の景勝地をツーリングするランボルギーニGIRO Japan。GIROとはイタリア語で周遊や旅行を意味するという。走る、食べる、そして遊ぶをとことん楽しむ、これぞ正しいスポーツカーの使い方だ。

Lamborghini GIRO Japan 2022

5回目となるドライビングツアー

昨年は九州で開催されたランボルギーニGIRO JAPAN。2022年は信州・長野を舞台にして7月15〜17日の日程で行われた。このランボルギーニGIROはオーナーが集い、美しい風景を巡るというドライビングツアーで、本国イタリアをはじめ各国で開催されているイベント。日本では17年に初開催され、コロナによる中止の年もありながら今年で5回目の開催となる。

ボクは昨年初めて参加したのだが、綿密に練られたドライブコース設定や充実した宿や食事などのホスピタリティに感心しただけでなく、参加者を退屈させない数々のエンターテインメントや手厚いサポートに驚いてしまった。果たして今年はどんな楽しみが用意されているのか、大いに期待してその日を待っていた。おそらく一度でも参加したオーナーは同じような思いでイベントのリピーターとなっていくのだろう。

集合場所は諏訪湖イベントホール。ここは諏訪湖のほとりにある工場の跡地で、体育館よりもはるかに広い広大な屋内スペースに続々と参加車両が集まってくる。今回は40台以上のランボルギーニが全国から集まっており、ウラカンやアヴェンタドール、ウルスの各モデルだけでなく、ディアブロGTの姿もある。工場の跡地という独特の雰囲気のある空間にこれだけの数のランボルギーニが並んでいる姿はまるでミュージアムのよう。この光景を見るだけで、GIRO JAPANに参加した高揚感が高まってくる。

隣接したスペースで開催されたウエルカムディナーでは地元長野の食材を活かしたイタリア料理と共に世界で活躍するマジシャンCyril(セロ)のマジックパフォーマンスや花火で大いに盛り上がる。そしてこの夜のハイライトは、カウンタックLPI800-4のお披露目だ。これは日本で初めてナンバーが付いた車両で、オーナーも今回のツアーが初ドライブになるという。ランボルギーニ・ジャパンのダビデ・スフレコラ社長によってアンヴェールが行われると、皆、初めて見る新型カウンタックへ熱心にスマホやカメラを向けていた。

ランボルギーニの世界を堪能

翌朝は再び諏訪湖イベントホールに集合し、安全祈願を行った後、和太鼓のパフォーマンスに見送られながらスタート。さて、40台以上ものツーリングをどのように行うのかというと、全体を4つのグループに分け、各グループにはプロフェッショナルドライバーが運転する先導車が付き、無線で曲がる場所などの指示を行ってくれる。仮に信号などで隊列が分断されたり列の途中に他車が入ってきたりしても、無線で的確な指示が行われるので、参加者は行き先がわからず迷うようなことはない。さらに無線では現在走行している場所の説明や観光案内も随時入るので退屈せずにドライブが楽しめる。このようなツーリングだと「ただ付いていくだけ」となってしまうことも多いが、ランボルギーニGIRO JAPANではその点でも参加者が心から満足して楽しめるように考えられているのだ。

諏訪湖を出て、まずは霧ケ峰高原を経由してビーナスラインを走る。ここは長野というよりも日本でも有数の美しい景色が楽しめるドライブコースで、大きな木がほとんどない草原の山道を走るのは本当に気持ちがいい。最初にドライブしたのはウラカンEVO RWDスパイダーだが、このような適度なワインディングコースでは水を得た魚のようだ。RWDならではの素直でピュアなハンドリングとスロットルに即座に反応するエンジンは、まるでライトウエイトスポーツのような感覚も味わえる。あいにくこの日は雲が多かったので遠くの景色までは見えなかったが、せっかくなので可能な限りオープンにして、夏の信州の爽やかな空気を楽しんだ。

食べ、遊び、そして走る

さらに北上し、上田城に到着。徳川軍を2度も撃退した難攻不落の城は、大河ドラマ「真田丸」でも有名だ。ガイドツアーで城内を見学した後はこの日の目的地である軽井沢を目指し東へと向かう。途中、浅間山の噴火で流れ出した溶岩によって独特の雄大な景色が楽しめる鬼押出し園に立ち寄り、ここでクルマをウルスに乗り換えて、夕方には軽井沢に到着した。この日のディナーでは歌手「BENI」のライブをはじめとする数々のパフォーマンスに、参加者は疲れも忘れて酔いしれた。

最終日は軽井沢から善光寺に向かうというルート。朝の出発式には軽井沢警察署交通課の警察官が出席し、安全運転の模範となるよう、とスピーチ。気持ちを引き締めながら宿泊した軽井沢プリンスホテルをウラカンEVOフルオカプセルに乗ってスタートすると、沿道には多くの方々が集まっていて手を振ってくれた。このツアーは立ち寄り場所がネットで告知されているので、行く先々でこのような歓待を受ける。オーナーでもないボクとしては少々気恥ずかしいが、これは楽しんだ方が勝ち、ということで笑顔で手を振り返す。この日は日曜日ということもあって多くの子供たちの笑顔も見える。この体験を通してひとりでも多くの子供がクルマ好きに育ってくれると嬉しいのだが。

今日の目的地、つまりGIRO JAPAN2022の最終到達地となるのは善光寺だ。軽井沢ICから上信越自動車道に入り、北上する。AWDのウラカンEVOにとって高速巡航は得意のステージ。ぴたりとレールの上を行くように安定した走りは長距離ツーリングには最高だ。高速道路を多くのランボルギーニが疾走する姿は壮観で、遭遇した他のドライバーは一瞬驚き、そして笑顔になっていく。休憩で立ち寄るSAでも多くの人に囲まれながら、安全運転で須坂長野ICで降りてお昼前に善光寺に到着した。

3日間の得難い体験

創建1400年以上を誇り長野県を代表する観光スポットである善光寺。1707年建立の巨大な本堂は圧巻だ。御本尊の真下の真っ暗な通路を通って錠前を探るお戒壇巡りや山門の見学など、貴重な体験をした後に本堂の内々陣で参加者全員の安全とご多幸の祈祷も行っていただいた。

長野を約250kmに渡って走り抜けたランボルギーニGIRO JAPAN2022。来年はどこでどのようなコースを走るのか、今から楽しみでしょうがない。おそらく、参加者全員がこのような思いで帰路についたことだろう。ランボルギーニという共通項を持つ人々が集い、短期間ながら一緒に走り、アクティビティを楽しむ。クルマそのものだけでなく、このような体験を含めたすべてが、ランボルギーニの世界なのだ。

ランボルギーニGIROジャパン2022を動画でチェック!

REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/LAMBORGHINI JAPAN
MAGAZINE/GENROQ 2022年 10月号

【問い合わせ】
ランボルギーニ カスタマーセンター
TEL 0120-988-889
http://www.lamborghini.com/jp

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ランボルギーニ ウラカンは、フェラーリF8トリブートやマクラーレン720Sなどをライバルとするミッドシップスーパースポーツカーである。しかし、それらライバル達と決定的に異なるのは、ミッドに搭載されるのが今や希少となった大排気量自然吸気エンジンで、しかも駆動方式がAWDという点である。さらに後輪操舵、トルクベクタリングといった高度な車両統合制御や、洗練された空力性能を備えるハイテクスーパースポーツカーであることにも注目したい。本記事ではランボルギーニの中核を担うミッドシップスーパーカーの概要から現在購入できるグレードの詳細まで紹介する。

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著者プロフィール

永田元輔 近影

永田元輔

『GENROQ』編集長。古典的ジャイアンツファン。卵焼きが好き。愛車は993型ポルシェ911。カメラはキヤノン。