ヴィンテージロレックスを安心して楽しむ方法

「思い出のヴィンテージロレックスをふたたび」コミット銀座が支える時計趣味と継承

市川右團次歌舞伎役者 1963年生まれ。大阪府出身。慶應義塾大学法学部卒業。日本舞踊の家元の長男として誕生。1972年6月、京都南座で初舞台、1975年、三代目市川猿之助の部屋子となり市川右近を名乗る。2017年1月、三代目市川右團次を襲名。NHK大河ドラマ『どうする家康』やバラエティ番組などでも幅広く活躍する
市川右團次歌舞伎役者 1963年生まれ。大阪府出身。慶應義塾大学法学部卒業。日本舞踊の家元の長男として誕生。1972年6月、京都南座で初舞台、1975年、三代目市川猿之助の部屋子となり市川右近を名乗る。2017年1月、三代目市川右團次を襲名。NHK大河ドラマ『どうする家康』やバラエティ番組などでも幅広く活躍する
クルマ愛好家は、時計愛好家でもあることが多い。歌舞伎役者の市川右團次さんもそんな愛好家のひとり。なぜ時計に惹かれるのか。モデルや店選びはどうしているのか。普段はあまり聞くことがない、プライベートな時計選びについて話を聞いてみた。

COMMIT GINZA
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UDANJI ICHIKAWA

「世代を超えて受け継がれるもの」

これまでにもヴィンテージロレックスを購入してきた右團次さんと、同店鑑定士の執行役員・金子さんのマニアックな時計談議は尽きない。その模様の一部は、コミット銀座のYouTubeチャンネル「COMMIT TV」で見ることができる。

学生の頃から乗り継いてきたクルマは20台以上。中でもポルシェはお気に入りで、911をはじめこれまで10台近くを乗り継ぐ。右團次さんはこの日、ジェームス・ディーン愛用のマックレガーの赤いジャケットを着て黒のカイエンで現れた。

「高校時代の同級生に、年は2つ上なんだけど(笑)、今はスタイリストとして有名な山本康一郎さんがいたんです。彼は在学中から雑誌『ポパイ』のライターとして働いていて、その影響で古着や時計などファッションに目覚めた。20歳の時にうちの師匠がパリでオペラの演出をやるというので帯同させてもらったんです。そのときは滞在期間が2ヵ月ぐらいあって、食費を切り詰めて初めて買ったロレックスが、サブマリーナのRef.5513。当時は15万円くらいだったかな。その後も海外公演にいくたび時計を探していましたね」

そうして手に入れたのが手巻きデイトナの最終型Ref.6265。

「その頃はまだ人気がなくて、新品で13万円くらいとめちゃくちゃ安かった。ずっと気に入って使っていたけど、2000年頃にロレックスが古いモデルのメンテナンスをやめると聞いて壊れる前に手放すしかないかなと、売却してしまったんです」

豊富な専門知識がポイント

1971年に登場し、1980年代後半まで製造されたデイトナ第3世代となるRef.6265。手巻きのムーブメントを搭載するデイトナとしては最終型となる。右團次さんの所有モデルは、12時間積算計の上部に赤字でDAYTONAの表記がある通称ビッグレッド。
1971年に登場し、1980年代後半まで製造されたデイトナ第3世代となるRef.6265。手巻きのムーブメントを搭載するデイトナとしては最終型となる。右團次さんの所有モデルは、12時間積算計の上部に赤字でDAYTONAの表記がある通称ビッグレッド。

その後はロレックスの現行品や他ブランドなど、クルマ同様さまざまな時計を所有するが、やはりRef.6265のことが忘れられなかった。

「銀座界隈で働いているので(笑)、空き時間に時計屋さんを見て歩くのは好きなんです。そうして、店の方といろんな話をしていく中で知り合いになっていく。コミットさんとの出会いもそれで。あるときRef.6265の在庫があるというので現物を見たら我慢できなかった。店選びのポイントはまず専門知識が豊富なこと。そしてコミットさんの魅力はリセールバリュー率の高さで、それまで持っていたモデルを預り販売で高く売って頂いて、元手にすることができました。またメンテナンスにも対応してくれるというのも大きかった。こうしたバックアップがないと、ヴィンテージモデルはキープできないだろうし、僕もまた買い戻そうとは思わなかったと思いますね」

右團次さんの今年中学生になる息子は、2代目市川右近として父と同じ道を歩み始めた。

「あるとき自分の腕に時計をはめて遊んでいて、かっこいいって言うんです。今時はこんな古いものに興味がない子も多いのかもしれないけど、すごく嬉しいことです。古典だって元は新作だったわけで、何十年、何百年をかけて古典になった。これから古いものの中に新しいものを見つけることもあると思うんです」

こうして芸も時計も受け継がれていくに違いない。

REPORT/藤野太一(Taichi FUJINO)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)
MAGAZINE/GENROQ 2023年5月号

コミット銀座
住所:東京都中央区銀座6丁目4-7 G・O・WESTビル1階,2階,12階
TEL 03-6264-5310 営業時間:11:00〜21:00
https://www.commit-watch.co.jp/

非公開: 「経年変化やエイジングを評価する場合も?」資産価値の高い腕時計の見極め方

“リセールバリュー”(resale value)とは、文字どおり再販価値のこと。下取りや買取りなど中古車販売においてはおなじみの言葉だ。同年式のまったく同じモデルであっても走行距離や色、装備の違いで査定は大きく変わることがある。それは時計の世界でも同じなのだ。

インタビューは時計専門店コミット銀座の店内にて行われた。ヴィンテージロレックスを豊富に取り扱っていることで定評がある。

非公開: いい時計を安く買い、高く売るには、いい時計鑑定士との巡り会いが重要だ

時計と自動車にはたくさんの共通点がある。実用性はもとより趣味性が高く世界中に愛好家が存在する。そして高い資産価値を有している。それだけに査定が重要な意味をもつ。時計鑑定士の仕事ぶりに迫る。

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藤野太一 近影

藤野太一