【上海モーターショー】フル電動SUVクーペー「ポールスター 4」を公開

「リヤウインドウを廃止した斬新なデザイン」フル電動SUVクーペ「ポールスター 4」

2023年11月から中国で販売される、フル電動SUVクーペ「ポールスター 4」のエクステリア。
伸びやかなフォルムを持ったフル電動SUVクーペ「ポールスター 4」が、上海モーターショーでワールドプレミアされた。
現在開催中の上海モーターショーにおいて、ボルボ傘下のEVメーカー「ポールスター」は、新型フル電動SUVクーペ「ポールスター 4」を公開した。生産・販売は、2023年11月から中国において開始される。

Polestar 4

2023年11月から中国で販売スタート

2023年11月から中国で販売される、フル電動SUVクーペ「ポールスター 8」のエクステリア。
ポールスター初のSUVクーペとして開発された「ポールスター 4」は、2023年11月から中国・杭州で製造をスタート、中国市場に先行投入されることが決まっている。

ポールスターは、フル電動パフォーマンスSUVクーペ「ポールスター 4」を発表した。ラインナップ第2弾SUVとなるポールスター 4は、クーペのエアロダイナミクスとSUVの室内空間を融合した、新しいタイプのSUVクーペとして開発された。

ポールスターらしいクリーンなデザインが与えられ、ポールスター史上最速の市販モデルとなるポールスター 4は、中国・杭州工場で生産が行われ、2023年11月から中国で先行発売が行われる。ジーリー(吉利汽車)傘下の最新生産施設は、100%再生可能な電力で稼働している。

欧州、北米、アジア太平洋地域を含む他の市場への本格的な投入は2024年初頭で、同年中にこれらの市場での生産を開始を予定している。詳しい投入地域や発売開始時期は2024年に発表されるという。発売予定価格は、6万ユーロ(欧州)、6万ドル(北米)、5万5000ポンド(英国)となっている。

ポールスターのトーマス・インゲラスCEOは、ポールスター 4について次のようにコメントした。

「ポールスター 4は、SUVクーペのデザインに新たなアプローチを採用しました。既存のSUVに手を加え、ルーフラインを伸ばしたことで、リヤシートのヘッドルーム拡大や快適性といった要素を損なわず、パッセンジャーに快適な空間をもたらすSUVクーペが完成しました」

ポールスター プリセプトのデザインを市販化

2023年11月から中国で販売される、フル電動SUVクーペ「ポールスター 8」のエクステリア。
SUVクーペとして開発されたポールスター 4は、伸びやかなルーフラインを実現すべく、コンセプトカー「プリセプト」と同様に従来のリヤウインドウを廃止。ルーフに設置されたリヤカメラで後方視界が確保されている。

ポールスター 4のデザインは、コンセプトカー「ポールスター プリセプト」で提示されたコンセプトを市販モデルへと昇華。リヤウインドウを廃止することで、新しいリヤパッセンジャー体験を提供する。

リヤウインドウを持たないポールスター 4だが、後方視界に関してはバックミラーの代わりに、ルーフに設置されたリヤカメラからの映像をコクピットの高精細スクリーンにリアルタイムで表示。従来の自動車では体験できないレベルの広い視野を実現している。このデジタル映像は、必要に応じて停止させることも可能だという。

低く抑えられたノーズ、格納式ドアハンドル、フレームレスウィンドウのフラッシュグレイ、リヤのエアロブレード、リヤライトバー周辺のエアフロー最適化などにより、フル電動モデルに求められるエアロダイナミクス効率は大幅に高めている。

ポールスターのヘッド・オブ・デザインを務めるマクシミリアン・ミッソーニは、ポールスター 4のデザインについて次のように説明を加えた。

「ポールスター プリセプトは、リヤウィンドウを廃止し、安全上重要な役割を果たすリヤヘッダーをさらに後方に押し出すことで、驚くほど新しいパッセンジャー体験を実現しました。このコンセプトを継承したポールスター 4のリヤシートでは、これまでにないユニークな体験を楽しめるでしょう」

これまでにないパッセンジャー体験を提供

ポールスター 4は、ジーリー(吉利汽車)ホールディングスが開発した「サスティナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー(SEA)」をベースに開発。全長4839mm、全幅2139mm、全高1544mm、ホイールベース2999mmという堂々たるディメンションが与えられた。

余裕のあるボディサイズは、特に広大なリヤキャビンに恩恵をもたらした。リヤウインドウを廃止したことで、ガラスルーフはリヤパッセンジャーの頭上まで広がり、ユニークな室内空間を演出する。フルレングス・ガラスルーフは、オプションのエレクトロクロミック機能により、気分に応じてガラスの透明度を変更することが可能だ。

インテリアは、ファッションやスポーツウェア業界からインスピレーションを得た「ソフトテック」をテーマにデザイン。カラーと素材は、新エクステリアカラーの「ストーム(Storm)」と「エレクトロン(Electron)」、新たなインテリアカラー「ミスト(Mist)」など、新しい表現が採り入れられた。

持続可能性を持った内装用マテリアルを導入。100%リサイクルPETで生成されたテーラードニット・テキスタイル、生物由来のマイクロテック・ビニール、動物福祉に配慮したナッパレザーが使用されている。

シングルモーターとデュアルモーターを展開

2023年11月から中国で販売される、フル電動SUVクーペ「ポールスター 8」の伝統パワートレイン。
ポールスター 4は、シングルモーター仕様とデュアルモーター仕様をラインナップ。デュアルモーター仕様は551PSを発揮し、最高出力シャープなハンドリングを実現するセミアクティブ・サスペンションが奢られる。

ポールスター 4は、ブランド最速モデルとして開発され、永久磁石式シンクロナスモーターを採用。ポールスターらしいシャープなハンドリングが与えられ、0-62mph加速はわずか3.8秒という、スーパースポーツに互するスペックが実現した。

デュアルモーター仕様とシングルモーター仕様をラインナップし、後輪駆動のシングルモーター仕様は快適性と信頼性が確保された。デュアルモーター仕様は、足まわりにセミアクティブ・サスペンションを採用。快適性だけでなくパフォーマンス・ダイナミクスが大幅に高められた。ホイールサイズは20インチから22インチ、タイヤはピレリとミシュランから供給される。

大容量102kWhバッテリーを搭載し、デュアルモーター仕様は、最高出力400kW(551PS)、最大トルク686Nmを発揮。最大350マイル(約580km)の航続距離が目標に掲げられている。ディスコネクト・クラッチを採用したことで、低負荷走行時にはフロントに搭載された電気モーターを切り離し、航続距離と効率を最大化するという。シングルモーター仕様は、リヤに最高出力200kW(275PS)、最大トルク343Nmを発揮するモーターを搭載。航続距離は最大372マイル(598km)という。すべての仕様が、最大200kWのDC充電/22kWのAC充電に対応。充電ポートカバーは、電動で開閉する。

ポールスター 6の前身となるO2 コンセプトは、2+2のハードトップコンバーチブルだが、キャビンは非常にコンパクトとなっている。

非公開: 北欧発ポールスターから884psの2+2ハードトップコンバーチブルEVが2026年に登場! 「O2コンセプト」が市販化

2022年8月16日、ボルボ傘下のEVメーカー、ポールスターはロードスターコンセプトモデルの「O2 コンセプト」を、ポールスター 6として2026年に発売することを明らかにした。同日オンラインで受注開始したという。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…