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BMW Concept Touring Coupe
BMWの伝統をアピールするデザインコンセプト
ワンオフで開発されたデザインスタディ「BMW コンセプト ツーリングクーペ」は、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステのオープニングイベントにおいてワールドプレミアされた。BMWが紡いできた伝統を受け継ぎ、ロングドライブを楽しむタイムレスな2シーターシューティングブレークとして製作されている。
BMWデザインは、クラシカルなシューティングブレークのコンセプトを現代的に再構築した。インテリアはイタリアの高級家具メーカー「ポルトローナ・フラウ(Poltrona Frau)」によって精巧に作られたレザーサーフェイス。フロントシート後方のラゲッジコンパートメントは、ちょっとした旅行用の荷物を収納できる十分なスペースが確保されている。
また、このラゲッジコンパートメントに合わせて、モデナの高級レザーブランド「スケドーニ(Schedoni)」がカスタムメイドしたBMW コンセプト ツーリングクーペ専用ラゲッジも製作されている。
クラシカルなシューティングブレークを再現
ハンドメイドで製作された「BMW コンセプト ツーリングクーペ」は、伝統的なシューティングブレーク・スタイルを採用。そのプロポーションとネーミングは1940年にミッレミリア耐久レースを制した「BMW 328 ツーリング クーペ」を彷彿とさせるもの。
シューティングブレーク・コンセプトは、セダンと差別化すべく「ツーリング」を冠した1970年代前半のBMW 2002シリーズの3ドアハッチバック仕様に由来する。ユニークなリヤセクションのデザインと、インテリアのシグネットスタイルは、これまで世界中のメーカーが手がけてきたヒストリックモデルからインスピレーションを得たという。また、パワーユニットはBMWを象徴する直列6気筒エンジンを搭載する。
BMWデザインを率いるドマゴイ・デュケックは、「BMW コンセプト ツーリングクーペ」について、次のように説明した。
「BMW コンセプト ツーリングクーペは、かつてのドライビングプレジャーを讃えたデザインスタディです。このように素晴らしくエモーショナルなクルマは、ドライビングプレジャーに対する情熱が時代を超えて求められ、未来に向けても不変であることを示しています」
グラマラスなリヤセクション
BMW コンセプト ツーリングクーペのデザインのハイライトとなるのは、その彫刻的なリヤセクションにある。ルーフとサイドパネルがシームレスに融合し、立体的でグラマラスな輪郭を形成。筋肉質なリヤフェンダーはこのクルマのスポーティな側面を強調する。さらにフラットなリヤウィンドウとボディサーフェイスにより、地に足のついた安定感を手にした。
サイドセクションは、典型的なシューティングブレーク・プロポーションを採用。ロングノーズ、弧を描く流線形のルーフコンター、力強いリヤセクションによって、エレガントな2ボックススタイルを完成させた。また、BMWを象徴する「ホフマイスター・キンク(リヤウィンドウからCピラーへと斜めに跳ね上げられたライン)」を持つ、細長いサイドウィンドウグラフィック、フレアしたリヤホイールアーチが、スポーティなエレガンスをアピールする。
「スパークリング・ラリオ(Sparkling Lario)」は、BMW コンセプト ツーリングクーペのために専用開発されたエクステリアカラー。ブルーガラスのフレークが埋め込まれたグレーブラウンの色調は、独特の奥行きを感じさせるもの。ここにシルバーブロンズのアクセントと専用デザインのBMWキドニーグリルが組み合わせられた。
イタリア製の美しいインテリアとラゲッジ
BMWらしくドライバー中心のコクピットは、マテリアルのチョイス、カラースキーム、クラフトマンシップに強いこだわりを持って製作された。イタリアの高級家具メーカー「ポルトローナ・フラウ」によって手がけられた美しいインテリアは、水平方向にふたつの異なるカラーセグメントを組み合わせたバイカラー仕様。上段をダークブラウン、下段は明るいサドルブラウンとし、快適さと温かみを感じさせるインテリアが完成している。
モデナの老舗レザー工房「スケドーニ」が、BMW コンセプト ツーリングクーペのためにデザインしたラゲッジは、高品質な仕上がりと細部へのこだわりが特徴となる。カスタムメイドのセットは、大小ふたつのウィークエンダー・バッグとガーメントバッグで構成。そのすべてが車両のデザインと完璧にコーディネートされた。