国産初の280psセダン、斬新なグリルレス・フェイスの個性派レア車! | 80-90年代車再発見 | 1990年式・日産インフィニティQ45(1990/NISSAN INFINITI Q45)

S30フェアレディZに乗っていた世代に向けて開発され、
日本独自の和をモチーフに斬新な高級車として発売されたインフィニティQ45。
今や希少車を大切に乗る人のお話。

国産セダンとして初めて280psの最高出力を達成

北米での高級車ブランドとして1989年に設立されたのがインフィニティ。そのトップモデルとして新たに開発されたのがインフィニティQ45だった。基本コンポーネンツを最高級車であるプレジデントと共有するが、Q45はパーソナルユースを想定。北米でS30フェアレディZに乗っていた世代にもアピールするよう、スポーティな味わいも盛り込まれた。


斬新だったのがスタイリングでグリルレスの顔つきは大きなサイズの七宝焼エンブレムが居座る。この顔つきが不評だったため後期モデルではダミーのグリルを備えることになった。室内でも木目ではなく漆塗りのパネルが採用され日本独自の“和”をモチーフにした。


エンジンは新開発のVH45DE型で4リッターV8 DOHC。発売前に300psを予定していたが、Z32同様に280psの自主規制が適用された。なお、国産セダンとして初めて280psを達成したモデルでもある。さらにアクティブサスペンションが設定され、スポーティな走りも可能だった。

1989年に発売され97年に2代目へ切り替わることになるインフィニティQ45。ジャパンオリジナルをコンセプトにした斬新なスタイル、280psのV8エンジンに4輪マルチリンクサスやアテーサE-TSとスーパーHICASのバネ仕様とマルチリンク+油圧アクティブサス仕様をラインナップ。93年のマイナーチェンジでダミーのグリルが採用され94年の改良で室内に木目パネルが採用された。
グリルレス!
グリルがないデザインは賛否両論だった。オーバーヒートの心配はまるでない。
高級車らしいドアノブ!
ドアノブのデザインも高級車らしさより日本らしさを演出してのもの。

エンジンルーム

VH45DE型は280ps。

4リッターV8DOHCのエンジンは国産セダン初の280ps仕様。同じエンジンのプレジデントでは270psとされ区別していた。

冷える!
オーバーヒートしそうだがバンパー下からラジエターへシュラウドがある。

カタログ好きが行き着いた、他人と被らない選択肢だった

今では非常に数が少なくなった前期型インフィニティQ45に乗るオーナー。一時期VIPカーを扱う中古車ショップでバイトしていたことがあり、この年代の高級車が大好物。最初の愛車はF31レパードで次にGX71マークⅡへ乗り換え。ところが一時期NBロードスターに乗ってみたがやはり大きな高級車が欲しい。そこで選んだのがQ45だった。


数少ないモデルだから「他人と被らない」というこだわりにもピッタリ。恐いのがアクティブサスのトラブルなので、バネサスを探しに探して入手した。購入時は格安で当時からエナペタル製の車高調と社外ナビが組まれていた。この2つだけでも車体より高価と説明され苦笑い。


購入後は暗いのを理由にHIDヘッドライト&フォグに自分で組み替え、インパネ中央の時計をブランドロゴ入りとなる後期のものに入れ替えた。最近、後期オプションのBBSホイールも手に入れた。トラブルも経験していて最も痛かったのがATの故障。リビルド品に交換してもらったが、日頃は日産ディーラーでメンテや車検を受けているので安心だ。


オーナーは、若い頃からのカタログマニア。Q45のものも当然以前から所有していたが、さらにQ45購入者に配られた分厚い写真集やノベルティのミニカーなど、インターネットオークションで見つけては収集している。

室内

インパネなどに木目を使わず和のテイストで漆塗りとされた。高級車らしい落ち着いた風情が楽しめる。エンジンをオフにしてドアを開けてると自動でステアリングがチルトアップする。
ブ厚い!
ベロアのシートは表皮がブ厚くコストのかかった造りであると感じさせる。もちろんパワーシートだ。
リヤ!
もちろんリヤシートは快適だが、どちらかといえば運転席が主役?
このインフィニティQ45の記事は、2023年12月21日発売の令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)2024年2月号に掲載されています。

キーワードで検索する

著者プロフィール

G-WORKS編集部 近影

G-WORKS編集部