ターボとハイブリットの中間でコスパ上位
アルファードには、先代から引き続き「2AR-FE」型の2.5L直列4気筒NAガソリンを設定する。アウトプットは、30系と同様に最高出力182PS/6000rpm、最大トルク235Nm/4100rpmで、WLTCモード燃費10.6km/L(FF)も同値。タンク容量75L(FF)、レギュラーガソリンになるのも同じだ。
一方で新型は、超豪華仕様である2列キャプテンシートしか現在設定していない(開発陣によると、8人乗りのベンチシート車も開発中)こともあり、車両重量はFFでも2tを超え、4WDだと2.1t台に突入している。グレードよっては、先代よりも140kgも重くなっていて、動力性能への不安も否めない。しかし、2人乗車でカメラ機材を積んだ状態でも低速域からかなり粘りがあり、街中であれば想像以上に軽快に走る。試乗時間の関係で高速道路では試せなかったが、実用上十分な加速感が得られるはずだ。タウンスピードであればCVTのラバーバンドフィールも抑えられていて、音ばかり高まって加速感がついてこないような、もどかしさを感じさせるシーンも少なかった。
「2AR-FE」型は、重量のあるミニバンとの相性もよく、継続採用されたという経緯もあるのかもしれない。先述したように、普段は2人くらいまでの乗車が多く、街乗りが中心であれば必要十分と思わせる実力の持ち主だ。一方で、ハイブリッド車の「Z」と比べると100kg軽い恩恵は感じられない。強力なモーターアシストが加勢するハイブリッドと比べると、アクセルの開度が大きくなり、エンジンコンパートメントからの音、振動はやや大きめになる。とはいえ、その静粛性は、高いレベルでの差であり、大型ミニバンではトップの静かさ。
また、アルファードの「Z」は、ハイブリッドも含めて周波数感応型ショックアブソーバーは未設定だが、ミニバン用に最適化された「TNGA」をはじめ、鍛え上げられたボディによりソリッドな乗り味を披露する。ヴェルファイアのターボとハイブリッドの中間を行くようなバランスのいいテイストといえる。
【搭載グレード】
アルファード Z
※2WDと4WDの設定あり
SPECIFICATIONS
燃費(WLTC) | 10.6km/L |
最大出力 | 182ps |
最大トルク | 235Nm |
モーター最大出力 | Super CVT-i (電気式無段変速) |
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STYLEWAGON(スタイルワゴン)2023年9月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]