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アルミホイールは構造の違いで3つに分類されている
今回取材にお邪魔したのはクレンツェやマーベリックなど、様々なブランドを展開しているホイールメーカー「ウェッズ」。各ブランドによってデザインやコンセプトは当然異なるが、ホイールを製造していく工程は基本的に3つに分類されている。それが1ピース、2ピース、3ピース。それぞのホイールを並べて比較してみると、実はデザインにも色々な差が出てくる。まずはそれぞれの特徴からチェックしていこう。
【1ピースホイール】コストパフォーマンスに優れ軽量
ディスクとリムが一体化されている1ピース。最もシンプルな製法で、2ピースや3ピースに比べコストパフォーマンスに優れている。軽量かつ剛性を確保しやすいため、スポーツ系ホイールなどで採用しているモデルが多い。ディスクとリムが一体化されているので、リム部分まで含めたデザインをトータルで考えられているモデルが最近の主流。
【2ピースホイール】ミリ単位でのサイズセッティングが可能
ディスクとリムを別体化し、それぞれを溶接によって組み合わせるのが2ピース。ディスクの位置を溶接で組み付けるため、「インセット」と呼ばれるホイールと車両側の取り付け部分の位置をミリ単位で調整することができる。1ピースと異なり、ディスクとリムが別々に製造されるので、1ピースよりもディスクデザインの自由度が高い。価格は1ピースよりも高く、3ピースよりも安い。
【3ピースホイール】部材点数、組み立て工程が多く値段も高値
ディスクとアウターリム、そしてインナーリムの3つの部材で構成される3ピース。それぞれの部材を組み合わせるピアスボルトもあり、1ピースや2ピースと比べ組み立て工程が大きく異なる。2ピース同様、ディスクデザインの自由度が高いうえ、ディスクとリムが別体なので立体的で奥行きのある表情を作りやすい。リムの深さも魅力だ。部品点数が多いことで、組み立て作業工程も増えるため、必然的に値段が高くなる。
製法の違いで比較! 組み立て方法の違いで見た目にも大きな変化
3ピースの主流となっている組み立て方が「オーバーヘッド製法」
部品点数が多いから可能な自由自在なカスタマイズ
1ピース・2ピースと比べ、部品点数が圧倒的に多い3ピースだから可能なのが自由自在なカスタマイズ。ホイールメーカーによって異なるが、クレンツェではそのメリットを最大限に活かしたカスタマイズをオプションで用意している。アウター、インナーでリムが別々なのでアウターリムのカラーオーダーシステムや、ピアスボルトやセンターキャップなども様々なバリエーションを用意している。しかも一部商品は購入時に希望カラーを選択できる嬉しい設定となっている。こういった付加価値も3ピースホイールが「最高級」である魅力を高めている。
リムの見え方が全く異なる「ノーマルリム」と「リバースリム」の違いとは?
2ピースや3ピース、組み立てホイールの選択肢として注目したいのが「ノーマルリム」と「リバースリム」。そもそもホイールには、タイヤを組み込むときにタイヤのエッジを落とし込むための凹みが裏側にある。この凹み部分が「ノーマルリム」はアウター側、「リバースリム」はインナー側にあるホイールが多い。そのため「ノーマルリム」の場合、リム部分に段差がデザインされているように見える。逆に「リバースリム」はリムに段差がないため、ディスク面を大きくとることができるうえ、リムの深さをよりアピールできる。一方でクレンツェをはじめ一部のホイールは「ノーマルリム」でもタイヤを裏側から組めるように、凹みがインナー側にある場合もある。メーカーによって構造が異なる場合があるか、ノーマルリム=段付きリム、リバースリム=フラットなリム、というそれぞれの特徴を知っておくと、クレンツェのようにどちらも設定しているホイールは、自分好みのスタイルに合わせて選択できる楽しさもある。また、「ノーマルリム」と「リバースリム」は組み付けるディスクサイズが異なり、「ノーマルリム」の21インチと「リバースリム」の20インチに組み合わせるディスクサイズは、どちらも20インチとなるということも知っておきたい。
金額的にはかなりハードルが高い、だからこそいつか履きたい!
コストパフォーマンスに優れた1ピースホイールと違い、デザインが気に入っても即決するには金額的にかなりハードルが高い3ピースホイール。しかし数多くのヒットモデルを輩出してきた「クレンツェ」の最新モデルを見てもわかる通り、その値段に見合うだけの価値や魅力が3ピースホイールにはある。また「気軽に購入しにくい」というのも3ピースホイールが「最高級」たる所以であり、愛車に履いた時の満足感や喜びは格別のなのだ。
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]