誕生のきっかけは軍用車!?　あなたはどこまで知ってる？ 『Gクラス』にまつわる8つのトリビア｜新車レビュー

【Mercedes Benz G-Class ＆ LANDROVER DEFENDER ハイエンドSUVカスタムの世界 #010／Mercedes Benz G-Class　ベース車ガイド・後編】
いま、メルセデス・ベンツGクラスが熱い。
「Gクラスって何それ？　美味しいの？」……なんていう人はスタイルワゴンの読者には少ないかもしれないけれど、でも「Gクラスなら任せとけ！」という人ばかりじゃないはず。そこで今回は、改めてGクラスについて学んでみましょう。
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（1）Gクラスのルーツは軍用車？

開発スタートは民間用の小型でどんな路面にも対応する車両としてはじまったという説もあるが、Gクラス（当初は「ゲレンデヴァーゲン」）の初期に軍用車両としてその地位を築いたのは紛れもない事実。ドイツをはじめ欧州各国の軍や警察に納入され、NATO軍の制式車両としても採用された。今では信じられないことだが1980年代のゲレンデヴァーゲンは実用車としての意味合いが極めて濃く、インテリアもバンのように質素だったのだ。

（2）実はプジョー版があった

もともと軍用車両として開発されモデルのGクラス。実はフランス軍向けにはボディを共用する「プジョーP4」というモデルが用意されたのだ。プジョーの工場で作られ、もちろんエンジンはプジョー製。さらに、その民生用市販モデルもごく少数ながら存在する。

（3）中身はバリバリ新しい

見た目はクラシカルなGクラスだけど、中身はバリバリの最新テクノロジー。2018年の“実質フルモデルチェンジ”で車体設計が新しくなったほか、2024年のマイナーチェンジでは先進安全技術やインパネの設計なども今どきの最新タイプへとアップデートされているのだ。もしかすると、見た目と中身のギャップがGクラスの人気の理由のひとつなのかも。ギャップ萌え？

（4）最近、値上がりが凄い

クルマの値段がメキメキ上がっている！というのは昨今の常識だが、Ｇクラスの値上がり幅も結構スゴイ。2021年に発売されたディーゼルエンジン搭載車「G400d」は1289万円だったが、マイナーチェンジを受けた最新版はパワーアップした「G450d」へと進化しつつ価格は1824万円。なんと価格は1.5倍に！　2021年モデルが2218万円だった「G63」は、最新モデルでは2820万円になっている。最大の理由は為替レートなのだが……。

（5）2018年の不思議な商品改良

2018年に施されたＧクラスの「商品改良」はかなり不思議。「従来モデルから流用されている部品は3つしかない」とメルセデスは説明し、車体設計を刷新した実質的なフルモデルチェンジである。にもかかわらず同社は「あくまで商品改良」と説明し、型式も従来同様に「W463型」を継承する不思議なものだった。新型になっても見た目は旧型そっくりとはいえ、「どうしてフルモデルチェンジと言わないのか？」は今なお霧のむこう。

（6）まさかの6輪車もあった

Ｇクラスには、正規モデルとして6輪車が存在する。それが「G63AMG6×6」と呼ばれたモデルで、なんと大改造を施した6輪車なのだ。しかも単にタイヤを2つ増やしたというだけでなく、大径タイヤを履いてリフトアップ（駆動系も専用設計）したボディは延長されてまさかのピックアップトラック化。全長は約5.9ｍもあり、高さは2.3ｍ近い巨体だ。タイヤ空気圧調整システムなども組み込まれ、最低地上高はまさかの460mm。これがショップのカスタマイズカーというならわかるけど、ベンツの正規モデルなのだから驚くなっていうほうが無理だ。日本に輸入された車両は5台のみ。価格は8000万円だった。ちなみにメカニズムがあまりに特別過ぎて、日本で修理できない場合はドイツの技術者が日本まで出張するのだとか。どんだけ？

（7）今ではEVもある

最新のＧクラスにはEV（電気自動車）モデルも存在。それが「G580 with EQ Technology」だ。スゴイのは心臓部となるモーター。一基あたり「パワーは『Ａ180』のエンジンと同じ、トルクは『C200』のエンジンと同等」というモーターが4つもついているのだ。つまり「『Ａ180』4台分のパワーがあり、『C200』4台分のトルク」というとんでもない怪物である。587psの最高出力と1164Nmの最大トルクは、ガソリンエンジンの最高峰モデル「AMGメルセデス G63」を上回るというから尋常じゃない。「パワーとトルクはGクラスの中で最強」「悪路走破性はGクラスで最高」と、「エコならそれでいいじゃない！」という守りのEVではないのだ。

（8）実は廃止となる予定だった

Ｇクラスは2006年に発表された「GLクラス」（現「GLS」）を後継モデルとして廃盤となる見込みだった。しかし、その情報が流れると逆にGクラスの販売が上昇。それを受けてメルセデスはGクラスの継続を決めたのだ。もし、その時Gクラスの人気が上向きにならければ、Ｇクラスは「過去のクルマ」となっていただろう。

▷Mercedes Benz G-Class ＆ LANDROVER DEFENDER ハイエンドSUVカスタムの世界　まとめはこちら

STYLEWAGON（スタイルワゴン）2025年4月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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