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国産ハイブランド“クレンツェ”の2023モデル
1994年にホイールメーカー、ウェッズの数あるブランドのひとつとして登場した「クレンツェ」。当時は最高級ブランドという位置付けではなく、新ブランドながらも総合カタログの掲載順が7番目だったというのも驚きだが、それから27年、今ではウェッズのフラッグシップブランドであり、国内屈指のプレミアムブランドとしての地位を確立している。
そんなクレンツェの新作は1年に1モデルのみ。厳密に言えば、エボシリーズも含めた2モデルが新年にお披露目されるのだが、それだけ心血を注いだ渾身の作品が毎年登場するというわけだ。
Kränze Schritt クレンツェ シュリット
2023年モデルはすでに東京オートサロン2023にてお披露目されたシュリット。1997年に登場したブランド第3弾のクレンツェ・メッシュ以来、26年振りの8分割デザインを取り入れた意欲作。5穴が主力となるモデルでは、デザインバランスが取りにくいなど難しさのあるデザインだが、あえての挑戦の結果、いかにもクレンツェらしい、堂々とした風格と美しさを手に入れた。
クレンツェと言えば、曲面や曲線を駆使した三次元的デザインを主流としてきたが、このシュリットは各部にエッジーな段差を取り入ることで、力強さや奥行き感を表現。メインのスポークはV字の8本。その合間には交点に段差を設けたX字のサブスポークが収まり、独特なメッシュの雰囲気を作り上げた。
シュリットはカラーにも強いこだわりを持つ。クレンツェ定番のSBCポリッシュはもちろん、ブラック&バフ/ブラッシュド、セピアブラック/ポリッシュと上質で高級感抜群のカラーが揃う。さらに、前作ヴィルハームでは形状的な制約により設定から外れていたデザインクロームが復活。クロームは、メッキ処理後、表面を磨くことで鏡のような輝きを放つが、その磨きを部分的にすることで、カラーにデザイン性を持たせたのがデザインクローム。シュリットはこの復活を前提とした開発が進められていたそうで、緻密でスペースの少ないスポークでいかにしてデザインクロームを実現するか、メッキ工程や磨き工程の職人とデザイナーとの間では時に激しい衝突もあったとのこと。その甲斐あってのデザインクロームの復活。クロームならではのプレミアム感と、フルクロームでは表現できない陰影の強さは、シュリットのデザイン性を最大限に引き出すイチオシのカラーだ。
さらにもうひとつ。クレンツェの3ピースシリーズは、ディスク、リム、ピアスボルト、センターキャップなどのカラーを幅広く選べる「カラーコーディネイトシステム」というオプションがある。そのディスクカラーに2023年から追加されたオリエンタルレッドがかなり魅力的なカラーなのだ。従来あったボルドーレッドに変わり投入されたカラーで、ややトーンを落としたダークな雰囲気は、妖艶でいて品があり、実に渋い。クレンツェユーザーが多い30系アルファード乗りにはぜひチェックしてもらいたい。
サイズ | HOLE/P.C.D. | 価格(税込) |
---|---|---|
19×7.5J〜13.0J(リバースリム) | 5/114.3 | 10万8900円〜18万5900円 |
20×8.0J〜12.0J(ノーマルリム) | 5/114.3 | 11万7700円〜19万6900円 |
20×8.0J〜13.0J(リバースリム) | 5/114.3 | 11万7700円〜20万1300円 |
21×8.5J〜12.0J(ノーマルリム) | 5/114.3 | 14万5200円〜22万2200円 |
21×8.0J〜12.0J(リバースリム) | 5/114.3 | 13万3000円〜22万2200円 |
22×8.0J〜13.0J(リバースリム) | 5/114.3 | 18万4800円〜27万2800円 |
構造:鋳造/3ピース
※カラーコーディネイトシステム対応
Kränze Schritt 855 EVO クレンツェ シュリット855エボ
クレンツェの新作が登場するこの時期、もうひとつ注目なのが、エボシリーズだ。新作3ピースのデザインを踏襲しながらも、より大口径感が高まるリムオーバーデザインを取り入れた1ピースモデルがエボシリーズ。2023年は、3ピースのシュリットに対して、シュリット855エボが同時にデビューした。
V字のメインスポーク、X字のサブスポーク、センターのスリット状のアクセントなどはシュリット同様ながら、メインスポークはリムに覆い被さるように伸び、足の長さ、つまり大口径感を強調する。また、シュリット855エボ独自のデザインとして、フェイスの断面を再構築。リムがない分、奥行き感を見せるためのコンケイブフェイスとしている。
カラーはクレンツェといえばこれ、SBC/ポリッシュ。SBC(スーパーブラックコート)と呼ぶ塗装の一種を全面に施行し、スポークの天面のみにポリッシュ加工を施すことで、煌びやかなSBC、鈍い光を放つポリッシュという趣の異なる2つの輝きを実現する。
サイズ設定は軽自動車向けの16インチから、アルヴェル、SUV向けの22インチまで幅広くラインアップ。5穴P.C.D.100の18&19インチの設定があるのも魅力だ。
サイズ | HOLE/P.C.D. | 価格(税込) |
---|---|---|
16×5.5J〜6.5J | 4/100 | 6万2700円〜6万7100円 |
17×6.0J〜7.0J | 4/100 | 7万3700円〜7万8100円 |
18×7.5J | 5/100、5/114.3 | 8万6350円 |
19×8.0J | 5/100、5/114.3 | 9万7350円 |
20×8.5J | 5/114.3 | 11万550円 |
21×9.0J | 5/114.3 | 12万3200円 |
22×9.0J | 5/114.3 | 12万7600円 |
構造:鋳造/1ピース
※17&19インチは2023年3月発売予定、16&18インチは2023年夏頃発売予定