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  • 2017/08/30
  • 遠藤正賢

東海大学、「'17 Tokai Challenger」と「ワールド・ソーラー・チャレンジ」参戦体制を発表

モノハル型(単胴型)ボディを採用したニューマシンで3大会ぶりの総合優勝に邁進

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ボディ形状がモノハル型(単胴型)に変更された「'17 Tokai Challenger」
オーストラリアの南北3,000kmを縦断する世界最大級のソーラーカーレースに、2017年大会の今回も東海大学が参戦する。3大会ぶりの総合優勝で、同大学の建学75周年に花を添えることができるか。

東海大学が8月29日、「2017ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」(WSC)に向けた参戦体制を発表。ニューマシン「'17 Tokai Challenger」を公開した。

WSCは、太陽光のみを動力源とするオリジナルの車両で、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまで約3,000kmのコースを走行、その総走行時間の速さを競うソーラーカーレース。

2011年大会で総合優勝した「'11 Tokai Challenger」

東海大学ソーラーカーチームは2009年と2011年の2大会連続で総合優勝を果たしているが、2013年は2位、2015年は3位と、優勝を惜しくも逃している。

この2017年大会で雪辱を果たすべく開発された「'17 Tokai Challenger」は、レギュレーション変更によってSi系太陽電池の最大搭載面積が6m2から4m2へ減少する一方、車体最大サイズが従来の全長×全幅×全高=4,500×1,800×2,200mm以内から5,000×2,200×1,600mm以内へと拡大されたことに合わせ、従来型「'15 Tokai Challenger」に対し全面的に設計変更された。

カタマラン型(双胴型)ボディの「'15 Tokai Challenger」

「車体サイズが大型化され設計自由度がアップしたが、空力性能がより一層重要になる」(東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト ソーラーカーチーム学生代表(工学部動力機械工学科2年)の武藤創さん)ため、車体形状は従来のカタマラン型(双胴型)からモノハル型(単胴型)に変更。

ボディサイズは全長×全幅×全高=4,980×1,200×1,000mmとやや大柄ながら、トレッドは610mm、ホイールベースは1,700mmとすることで、「空気抵抗を低減しながら旋回時や横風に対する安定性を確保している」(東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト ソーラーカーチームの木村英樹総監督(工学部電気電子工学科教授))。

変換効率が24.1%にまで高められた太陽電池モジュール

パナソニック製太陽電池モジュールも研究開発中のシリコン系裏面電極型が用いられたことで、変換効率が「'15 Tokai Challenger」の23.2%から24.1%にアップ。面積が2/3に減少したにも関わらず、出力も962Wが確保された。

バッテリーには「'15 Tokai Challenger」に続いてパナソニック製円筒型リチウムイオン電池を使用しているが、17並列24直列にレイアウトが変更されている。

「'17 Tokai Challenger」のボディに幅広く用いられている開繊プリプレグ(右)。形状が複雑な部位に用いられる3k綾織りプリプレグ(左)に対し重量は約1/4

ボディに採用されている東レの炭素繊維「トレカ」は、比較的形状がシンプルな外板などに、より強度が高い「T800」を採用。これを開繊し、オートクレーブで成形したプリプレグを使用することで、強度を高めながら車重を20kg軽い140kgにまで軽量化した。

ブリヂストンの「エコピアwithオロジック」。サイズは95/80R16

BMW i3に純正採用されているタイヤと同様に狭幅大径化して、転がり抵抗と空気抵抗を低減しつつ接地圧を高めたタイヤ「エコピアwithオロジック」は、「鋭利な石が多い3,000kmのコースを走りきれる耐久性を確保しながら、転がり抵抗を低減するための構造や材料の技術を最大限投入。転がり抵抗・重量を可能な限り減らすよう開発」(ブリヂストンの鈴木通弘ブランド担当執行役員)。「2019年に向けた検討もスタートしている」という。

参戦体制発表会で勝利を誓う東海大学ソーラーカーチーム

2017年大会は10月2日に静的車検、7日に動的車検が行われ、レース本戦は8~15日に行われる。チームごとにボディ形状や電池のタイプなどの特徴が大きく異なるマシンが開発され、「異種格闘技戦の様相を呈している」(木村総監督)という今回、東海大学は3大会ぶりに総合優勝を勝ち取ることができるか。11月1日に建学75周年を迎え、ソーラーカーチーム設立からも25年となるメモリアルイヤーにかける、東海大学ソーラーカーチームの鼻息は荒い。

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