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CO2ニュートラルな合成燃料のパイロット工場を建設する計画 合成燃料は地球を救うか?アウディ、e-diesel(合成燃料)の研究をステップアップ

  • 2017/11/16
  • Motor Fan illustrated編集部
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1:水力発電による電力 2:その電力を使って水を電気分解してH2とO2に分解する 3:アウディがマイクロ・プロセステクノロジーと呼ぶ方法で、H2とCO2を反応させる。マイクロ・プロセステクノロジーとは、なんらかのフィッシャー・トロプシュ法のようだ。この過程で排出される熱(廃熱)は地域の工場や住宅で使われる。最後の工程では、ワックスとe-dieselに分離され、ワックスは他の産業分野で利用される。e-dieselの給油設備は現状のインフラとエンジン技術と共有が可能だ。

アウディは、e-fuelの開発に体系的に取り組んでいる。この分野のパートナーであるIneratec GmbH及びEnergiedienst Holding AGと共同で、スイス北部のアールガウ州ラウフェンブルクに、e-dieselを生産する新しいパイロット工場を建設する計画を進めている。そこでは、必要な電力が初めて再生可能な水力発電から供給される。生産能力は、年間40万ℓ程度になる予定だ。

アウディはすでに何年も前から、e-gas、e-gasoline、もしくは人工合成のe-dieselといった、環境に優しい、二酸化炭素(CO2)を原料にした燃料の研究を進めてきた。今回新たなステップを踏み出すことになったのは、e-dieselの製造である。
AUDI AGサステナブル プロダクト デベロップメント部門の責任者を務めるライナー マンゴールドは、次のように説明している。
「ラウフェンブルクのプロジェクトでは、新しいテクノロジーを導入したことで、小規模な設備で効率的にe-dieselを生産して、製造コストも削減することができます。このパイロット工場は、セクター カップリングと呼ばれる手法を提供しています。すなわち、電力、熱、動力の各エネルギー セクターを統合して、再生可能な電力を保存することを可能にしています」

Audi e-dieselは、従来の内燃エンジンをほぼCO2ニュートラルに作動させる可能性を秘めている。e-dieselを生産するために、パワー トゥ リキッド(電力を用いて液体燃料を製造する)工場では、水力発電によって得られた余剰な電力を合成燃料に変換する。
そのとき、適用される化学反応の原理は以下の通りだ。

まず、最初に水力発電により生み出されたグリーン電力を用い、水を水素と酸素に電気分解する。従来のアウディの説明では、水を800℃以上に過熱し、高温電気分解によって水素と酸素に分解する方法を採っていた。今回もおそらく同じだろう。その際、酸素は大気に放出する。

次の工程で、革新的かつ非常にコンパクトなマイクロプロセス・テクノロジーを用いて水素をCO2と反応させる。アウディが示した図によれば、「フィッシャー・トロプシュ法」と書かれている。フィッシャー・トロプシュ法とは、一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成する方法のことだ。この方法が開発されたのは、1920年代だが、それ以降も改良が施され、類似する方法の総称としてフィッシャー・トロプシュ法の名前が用いられる。

このCO2は、大気もしくは有機系廃棄ガスから取得する。これは、他のあらゆるAudi e-fuelの場合と同様、炭素を得るための唯一の方法とされる。これにより、長鎖炭化水素化合物が生成される。長鎖炭化水素化合物とは、おそらくヘキサン(C6H14)やオクタン(C8H18)など、炭素数が5以上の炭化水素化合物が含まれたものだろう。
最後の工程では、それがAudi e-dieselとワックスに分離される。このワックスは、他の産業分野で利用されることになる。

e-dieselの給油設備は現状のインフラとエンジン技術と共有が可能だ。

こちらは、アウディが以前発表したe-deiselプロジェクトの図。再生可能エネルギー(図では風力発電)から得られた電力で水を水素と酸素に電気分解するところまでは、今回と同じ。その後、合成反応器で高温高圧かで水素と二酸化炭素を反応させてブルークルードと呼ぶ長鎖炭化水素化合物の液体を得る方法だ。

早ければ来年には、ラウフェンブルクで最初のe-dieselを生産する計画だ。アウディとプロジェクトパートナーであるIneratec GmbH、及びEnergiedienst AGは、今後数週間のうちに工場の計画申請を提出する予定だ。建設作業は、2018年の早い時期に開始される。
アウディがパワー トゥ リキッドの原則に基づいた合成燃料工場をパートナー企業と共同運営するのはこれが2例目にあたる。
2014年以来アウディは、ドレスデンに本拠を置くエネルギーテクノロジー企業、sunfireと共同でパイロット設備を運営してきた。そこでsunfireは、パワー トゥ リキッドの原則に基づきながら、異なるテクノロジーを用いてe-dieselを製造する方法を模索している。
他にもアウディは、e-fuelのプロジェクトの一環として、Audi A3、A4、A5の各g-tronモデル用に、北ドイツのヴェルルテにある自社のパワー トゥ ガス(電力で気体燃料を製造する)工場でAudi e-gasの生産を行なってきた。また別の専門企業と共同で、e-gasolineを製造する研究も進めている。

これがe-diesel。アウディは合成燃料の開発を熱心に進めている。

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