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大容量高速通信で、さまざまな機器を連携しコネクテッド社会の実現に貢献 三菱電機:5G基地局向け「16ビーム空間多重技術」により通信速度25.5Gbpsを実証

  • 2018/02/17
  • Motor Fan illustrated編集部
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三菱電機は、第5世代移動通信システム(5G)基地局向けに「16ビーム空間多重技術」を開発し、28GHz帯500MHz帯域を用い通信速度25.5Gbpsを世界で初めて実証した(2018年2月14日現在、同社調べ)。大容量高速通信で、さまざまな機器を連携しコネクテッド社会の実現に貢献する。本件は、「電子情報通信学会無線通信システム研究会」(2月28日から横須賀リサーチパークで開催)にて発表予定。

近年、IoTにより急増する移動通信のトラフィックを収容するために、2020年以降の実用化が期待される5Gの研究開発が世界中で進められている。5Gでは、現在の第4世代移動通信システム(4G)の最大通信速度788Mbpsを大きく超える20Gbpsの超高速通信が要求されている。今回、三菱電機は「16ビーム空間多重技術」を採用した28GHz帯ハイブリッドビームフォーミング型超多素子アンテナシステムと、2ビーム超多素子アンテナRFユニットを開発し、28GHz帯500MHz帯域を用いて1台の端末に向けて下りリンク通信速度25.5Gbpsを世界で初めて実証した。

5Gが適用されるサービス(イメージ)

■1.高利得と低演算量を両立した「16ビーム空間多重技術」で通信速度25.5Gbpsを実証
5Gの実用化には、広帯域幅を確保できる28GHzなどの高周波帯の利用が進められており、同帯域で大きくなる伝搬損失を補償しながら、同一周波数、同一時間に複数信号を空間多重伝送するMassive MIMO技術が有効だが、それを全てデジタル処理で実現する場合、回路規模や消費電力が膨大になる。その解決策として、APAAによりアナログで16ビームを形成し、その出力信号をMIMOデジタル処理することでビーム間の干渉を低減する、ハイブリッドビームフォーミング型の「16ビーム空間多重技術」の開発を進めてきた。この技術により、4,096素子アンテナ合成時の高利得を16素子分のMIMO処理と同等の低演算量で実現した。
4Gでは、1台の端末に向けて4並列伝送を超える超高速通信を行うことは困難だったが、今回開発した「16ビーム空間多重技術」により、見通し条件(基地局と端末のアンテナ間に障害物がない並列伝送が難しい条件)において1台の端末に向けて16並列伝送を実現した。これにより、28GHz帯において世界最高の周波数利用効率である1Hzあたり63.7bpsを実現、占有帯域幅500MHz、下りリンク時間占有率0.8にて、下りリンク通信速度25.5Gbpsを達成できることを実験室環境(外部からの電磁波の影響を受けず、かつ外部に電磁波を漏らさず、さらに内部で電磁波が反射しない環境)にて実証した。

■2.アンテナを薄型化し、設置場所の選択肢を拡大
複雑なアナログ回路を必要とするアンテナRFユニットは奥行が厚くなり、街中での設置が困難だった。三菱電機は、高集積化したRFデバイスを用いてアンテナRFユニットの小型化を進めてきた。今回、28GHz帯APAAとしてRFデバイスを256素子アンテナの背面かつ専有面積内に収まるように実装し、このAPAAを2台搭載する2ビーム超多素子アンテナRFユニットを開発した。これにより、広信号帯域幅・広角ビームフォーミングを奥行7cm(放熱フィン含む)の薄型アンテナRFユニットで実現した。街中のさまざまな場所でアンテナの設置が容易になり、5Gの普及に貢献する。

本成果には、総務省から委託を受けて実施した「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発」の成果の一部が含まれている。

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