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  • 2018/08/01
  • Motor Fan illustrated編集部

DS7クロスバックのゆるやかでやさしい乗り心地に感心 2.0ℓディーゼルと1.6ℓガソリンターボ 乗り味の違いは?

新型DS7 CROSSBACK試乗記 from editor's room

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DSオートモービルの『DS7』が日本に上陸する。同ブランドにとって初めての専用車であり、旗艦。込められた期待と盛り込まれた技術の数々はもちろん小さくない。その実力を木更津で試してきた。

 DSオートモービルというブランドがPSAという会社の中にあり、そのDSオートモービルのラインアップの一台がDS7というクルマである。ややこしい。

 PSAはいまのところ、3ブランドを抱えている会社だ。スポーティなイメージのプジョー、コンパクトながら尖ったイメージのシトロエン、そしてラグジュアリーかつゴージャスなDSオートモービルである。そのフラッグシップが今回のDS7。PSAの新世代モジュラー設計プラットフォームであるEMPのうち、大型に用いるEMP2を採用する一台であり、姉妹車としてはプジョー308/3008/5008、シトロエンC4/ピカソなどがあげられる。このEMP2を用いたクルマたちは尋常じゃなく軽いという性能を引っ提げて登場していて、今でこそ珍しい数字ではなくなったが、『308』の1340kgなんて車重は当時のライバル勢との比較して100kg近く軽かったのを記憶している。

PSA・EMP2プラットフォーム。

 さてDS7である。日本仕様としては3グレード用意され、そのうち試乗会では中間グレードのガソリン/ディーゼルの2台に乗ることができた。具体的には以下のとおり。

 1.6L PureTech ガソリンターボ EAT8:Grand Chic RIVOLI
 2.0L BlueHDi ターボディーゼル EAT8:Grand Chic RIVOLI
 
 ちなみに試乗会にはベーシックグレードのオプションレスという仕様を除いてすべて用意されていて驚いた。DSオートモービルの力の入り様がうかがえる。

茶色いのがディーゼル、黄色いのがガソリン。

 まずはディーゼルから乗ってみた。ステアリングが粘り、重くて心地よい。意識的に路面の荒れているところや段差などを越えてみたところ、ドン!ふわふわ……という乗り心地で少々のおつりがくる感じ。しかしSUVだから、という言い訳ではないが不快な印象はない。気がつけばなんとなくふわーふわーというように左右にゆっくりとした周期で揺れながら走っているものの、これまた嫌な感じはない。試乗時間が短く、また1名乗車だったのであいにく後席の乗り心地は試せなかったのだが、おそらく同乗者がいても酔うような室内環境ではないだろう。

 SUVということもあって見晴らしもよくヒップポイントも高く、そうだ、これは大きな船に乗っているようなイメージだと気がついた。

 プレゼンテーションで、走行モードの切替をぜひ試してみてくださいと言われていたのでいろいろ変えてみたのだが──鈍感なのかさっぱり違いが感じ取れず。とくにコンフォートモードではカメラセンサの検知による路面凹凸をダンパーにフィードフォワード制御し、車両姿勢を整えるというUSP:アクティブスキャンサスペンションが搭載されていると聞いていただけに期待は高まったのだが……いちばん違いが顕著であろうスポーツモードとコンフォートモードで切り替えながら走ったものの、劇的な差異は感じ取れなかった。

モード切替の感触が得られないのは残念だったが、いずれにしても乗り心地がよろしいのには舌を巻いた。何せ、タイヤはカリッカリで名を馳せるグッドイヤー・イーグルF1を履いているのである。しかも20インチだ。

 それよりも顕著だったのはパワートレインの制御の違いである。当然スポーツモードにするとアクセルの入力に対して変速機の制御がシビアになり、高回転気味までギヤステイするようになる。エンジン回転数もそれにともなって相対的に室内に侵入してきて、否が応にもムードは高まる。

ガソリン車のエンジンルーム。

 ここでガソリン車にスイッチ。走り出してすぐ、操舵感に大きな違いがあるのに気がつく。明らかに軽い。2台の車重を調べてみると、以下の違いがあった。

 1590kg(前930kg/後660kg):ガソリン車
 1720kg(前1030kg/後690kg):ディーゼル車

 フロントで100kgも違う。そりゃ操舵感も異なるわけだ。そして走行音のキャビン侵入度合いも違う。ディーゼルにはNVH対策が多いのだろうか。

 こちらもモードを切り替えながら走ってみたが、やはり違いは感じ取れず。ただし、ディーゼルに対して少し跳ねるような兆候があった。タイヤは同じ、車重は軽い。なのになぜと、空気圧を調べてみたら、前230kPa/後220kPaの指定圧に対して、ガソリン車は前270kPa/後260kPaという状態になっていた。ちなみにディーゼル車は前250kPa/後230〜240kPaという状況。この違いが大きいものと思われる。

中央のストラット部がUSPのキーデバイスである電制ダンパー。3層構造の複筒構造で、ソレノイドバルブが備わる最外部の筒で減衰力を無段階に制御する。クラウンに備わるAVSと同様のシステムと思われる。ロワーアームは鋳造アルミ製でいかにも軽くて強そう。
フロントサスペンションを左後方から。サブフレームも鋳造アルミで頑丈な印象。ステアリングは後ろ引き構造。
左のリヤサスペンションを後方から。もンのスゴいアルミのサブフレームから、いかにも軽そうなリンクが伸びる。奥上方には鋳造アルミの湾曲したアームも見て取れる。そして車両中央に向かって斜めにセットされる電制ダンパ。
威容を誇るリヤのサブフレーム。部屋に飾っておきたい。
左リヤを真下から眺めたところ。ダンパーのマウントはこんな感じ。アームのピボットの下にはトー調整の備わるリンクがセットされる。

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