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ボルグワーナー:有機ランキンサイクルで廃熱を電気エネルギーに変換

  • 2018/09/21
  • Motor Fan illustrated編集部
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ボルグワーナーは、燃料価格の上昇だけでなく、かつてないほど厳格な排出ガス規制に伴い、革新的なソリューションが求められている中で、排気管およびEGRエバポレータ、排気フラップバイパス弁、タービンエキスパンダー、タービンエキスパンダーのパワーエレクトロニクスおよびコンデンサで構成されるシステム一式を生産・開発している。その一例が、商用車分野における新技術である、ボルグワーナーの有機ランキンサイクル(ORC)廃熱回収システムだ。従来、エンジンの燃料エネルギーの約50%は熱として環境に排出されるが、その問題に最も効果的なソリューションの一つが、ORC廃熱回収だ。ボルグワーナーは、CO2排出量を低減し、燃費を3〜5%向上させ、マイルドハイブリッド商用車をサポートする高度なソリューションを顧客に提供している。

 ボルグワーナーのORC廃熱回収システムは、廃熱となる燃料からのエネルギーを変換して電気エネルギーを生成し、空調システムや冷却システムと同じように、流体の相変化特性を利用したもの。このサイクルは4段階に分かれており、まず、コンデンサからの冷却作動流体が送り込まれ高圧にされた後、エンジンからの廃熱が作動流体を過熱蒸気になるまで加熱し、この蒸気によってタービンエキスパンダーを駆動させて発電する。最後に、コンデンサで低圧蒸気を液体状態になるまで冷却し、このプロセスを繰り返す。

 48Vの電気出力を備えるボルグワーナーの革新的なORCタービンエキスパンダーは、内燃自動車に最適なだけでなく、今後5〜10年の間にトレンドとなることが見込まれるマイルドハイブリッド商用車もサポートする。オイル不使用のベアリングシステムと航空宇宙から着想を得たタービンは、クラス最高の効率性を実現。ボルグワーナーのエバポレータは、卓越した設計・製造プロセスによって、耐久性と高性能のバランスを実現している。排気バイパス弁は、排気管の排気システムから廃熱回収システムに入る熱量を制御する有益な方法だが、エンジンが高負荷の時には、排気管のエバポレータを迂回させることが必要になることがある。ボルグワーナーの排気バイパス弁は、排出ガスの比例流量制御を行い、低背圧を確保することでエンジン性能の最大化を図る。ORC廃熱回収システムによって、クリーンで高効率な推進システムを提供するグローバルなリーディングカンパニーとしてのボルグワーナーの地位が向上する。

 ボルグワーナーのエミッションおよびサーマルシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥール氏(Joe Fadool)は、「当社は常に、効率的なモビリティにおける最新技術を推進していくことを目指しています。廃熱を利用可能な電気エネルギーに変換することで、お客様をサポートすると同時に、環境を保護します」と述べている。

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