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ZF:トラック・プラトーニング(隊列走行)の実現へ

  • 2018/10/02
  • Motor Fan illustrated編集部
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a) トラックは、一両ずつ個別に走行させることもできるし、同一ルート上を隊列を組んでプラトーニング走行させることも可能。 b) トラックがプラトーニング(隊列)走行中の場合、ドライバーのリアクションタイムを考慮しなくてもよいため、隊列の中の車間距離は8メートルまで大幅に短縮される。後続のトラックは、先導車両と同時にブレーキングやステアリング操作を行う。 c) トラックの車間距離が短いため、後続車両が受ける空気抵抗も弱まり、燃料消費量を最大20%削減する。

ZFのテクノロジーにより、商用車は「見て、考えて、動かす」事が可能になる。 プラトーニングにおいては、センサー、制御ソフトウェア、アクチュエーター間の相互作用が特に重要だ。ZFは、EUが共同出資する「ENSEMBLE」プロジェクトの一環として、トラックメーカーと連携してプログラムの試験を行い、2021年までにヨーロッパの道路でマルチブランド・プラトーニングを実現することを目指している。

 本プロジェクトでは、さまざまなメーカーのトラックが隊列を形成するため、ネットワークの標準化が不可欠である。現在のZFの製品ラインナップには、カメラ、およびレーダーといったセンサー類、ZF ProAIスーパーコンピューター、ReAx商用車用電動油圧式ステアリングシステム、トランスミッションシステムといった、プラトーニングを可能にするテクノロジーが含まれている。

 ZFの商用車事業部責任者のフレドリック・シュテッドラー氏は次のように述べている。「プラトーニングのような運転機能は、革新的なZFテクノロジーにより実現可能となります。当社では、物流の効率性を向上し総所有コストの削減ににも貢献できるネットワークサポートをトラックメーカーにすでに提供しています」

 プラトーニングでは、複数のトラックが接近して走行し隊列を組む。そのため、先導する車両の後ろを走る車両が受ける空気抵抗が弱まり、その結果、燃料消費量の最大20%削減が可能だ。

マルチブランド・プラトーニング・コンボイ(車両隊列)

 ネットワークで接続された車両は、人間よりも作動時間が短いため車間距離を短くできる。隊列走行中のトラックは、ほぼリアルタイムで、先導車両の動きに合わせてブレーキングやステアリング操作を行うように設計されている。しかしながら、盲目的に追従走行するわけではない。
センサーから得られる情報と自動運転機能により、先導車両が意図せず車線を超えてしまった場合でも、後続車両は正しい車線にとどまることができる。

 ZFは、いくつかのプロジェクトにおいてプラトーニングの実現可能性をテストしてきた。EUによるENSEMBLEプロジェクトの一環として、同社はマルチブランド・プラトーニングの実現に必須の基準を策定した。マルチブランドとは、異なるメーカーのトラックにより構成されたコンボイ(隊列)を指している。実際の場面では、このような異なるメーカーで構成されるコンボイが一番多いケースになると思われる。ドイツ経済省が出資する別のプロジェクト、aFAS において、ZF は、移動する道路工事プロジェクトの一部である警備車両において、プラトーニング構想の実現に取り組んできた。本プロジェクトは先日、2019年「国際トラック・オブ・ザ・イヤー」賞の一部である「トラック・イノベーション・アワード」を初めて受賞した。ZF は現在、ヨーロッパでプラトーニングの試験中で、数年以内に、北米でもプラトーニングコンセプトを広める計画だ。

ZFが現在量産体制をとっている製品には、既に、プラトーニングに必要なテクノロジーが含まれている。カメラは車線や道路上の障害物を捉え、レーダーセンサーは距離をモニタリングする。ZF Pro AIスーパーコンピューターは、データの統合や分析を可能にする。ZF Pro AIから各種のアクチュエーター、特にシステムと互換性があり電動油圧式のZFステアリングシステムReAXに、走行指令が送信される。

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