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ティッセンクルップが描く操舵系近未来像 自動運転時代のステアリングをどのように考えるべきか[1/3]

  • 2019/09/15
  • Motor Fan illustrated編集部
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第3世代コラムEPASの概念イラスト。内蔵されるトーションバーはトルクセンサーと角度センサーを兼ねる。減速ギヤは切削加工品ではなく成形品を使ってコストダウンしている。パワーパックの全長は81mmに抑えられ、Bセグメント小型車への採用もねらっている。ラックスラスト力は公表されていないが、Dセグメント車の前軸荷重に対応できる製品も用意されるという。すでに採用を決めている自動車メーカーがあるというが、どうやら立ち上がりは北米での生産のようだ。

否応無しにオートノマス=ドライバー不要の自動制御運転機能は登場するだろう。そのなかでもっとも難しいのは「進路の制御」、つまりステアリング機能のつくり込みである。
TEXT&PORTRAIT:牧野茂雄(MAKINO Shigeo) FIGURE:ThyssenKrupp

 ティッセンクルップは自動車のステアリング分野では最後発組である。90年代にダイムラー・ベンツ(当時)のステアリング事業を受け継いだのが参入のきっかけだった。現在ではEPAS(電動アシストパワーステアリング)分野の商品強化を進めており、コラムタイプからデュアルピニオンやベルトドライブまで、ラック推力でいうと5kNから20kN超まで商品群を拡大した。

「もともと鉄とボルトの会社であり、ステアリングも油圧でスタートしましたが、現在はほとんどが電子制御のEPASです。ADAS(高度ドライバー支援)機能の先には自動運転があります。個人的には機械系が好きですが、もう油圧に戻ることはないでしょう」

Dr.-ing. Martin Meyer 工学博士 マーティン・メイヤー氏。ティッセンクルップ・ジャパン株式会社CEPS担当マネジャー。1981年ミュンヘン生まれ。アーヘン大学で機械工学を専攻し07年に卒業。BMWでのインターンシップを経て07年にティッセンクルップ・プレスタAG入社、16年5月にコラムEPAS担当の日本マネジャーに就任。プレスタは同社のステアリングの商標である。

 ティッセンクルップでコラムタイプEPAS開発を担当するマーティン・マイヤー氏(日本担当マネジャー・工学博士)に単刀直入に訊いてみた。ステアリングの自動制御は可能だろうか。ドライバーに「下手だ」と感じさせず計算どおりの車両軌跡を描き、歩行者や自転車の飛び出しなどにも対応できるEPASは実現できるだろうか。

「順を追って説明します。我われは2019年から量産する第3世代のコラムEPASを開発しました。アシストモーターはひとつの筐体に二重の駆動系を持ち、ECUもその回路基板もふたつあります。万一の機能失陥を担保するための二重化です。ADASの進歩、その先にあるオートノマスを見据えれば、おそらくどのステアリングメーカーも同じことをすると思います。同時に、小型化・軽量化・低コスト化もねらっています」

 鋼材が出自だけあって、現在は鋳造・鍛造で作っている部分にパイプ材を使ったり薄板加工にしたりという工夫も考えている、という。同時に失陥確率の低減である。これは自動制御機構のフェイルセーフとして欠かせない。

「FIT(フェイリアー・イン・タイム=時間当たり故障率)レートは、第1世代のコラムEPASでは1000程度でした。1万年に故障あるいは機能失陥1000回です。第2世代ではこれが500になり、ADAS対応製品では要求がさらに下がりました。オートノマス対応はその10分の1が要求されます。1万年に10回、1000年に1回のレベルです。第3世代のコラムEPASは、そのFITレート10まで視野に入れています」

第1世代コラムEPASの実物。左ページの第3世代に比べるとゴツい印象を受ける。同社のステアリング事業は現在、自動車分野の売り上げの18%を占め、21年には25%程度まで拡大する予定だ。
左が第1世代、中央が第2世代、右が2019年量産開始予定の第3世代。全体の小型化が進んでいることがわかる。半面、FITで表す信頼性は向上している。コラムEPASは「コストと性能が勝負」という。そしてコストは量産規模によって変わる。この第3世代製品は中国での量産がすでに決定している。

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