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日本精工:電動車用 希薄潤滑環境向け円すいころ軸受を開発

  • 2019/10/11
  • Motor Fan illustrated編集部
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日本精工(NSK)は、電動車用希薄潤滑環境向け円すいころ軸受を開発した。

 近年、地球温暖化に伴う環境規制強化を背景に、自動車の電動化が急速に進んでいる。多くの電池を搭載する電動車の課題及びニーズとして、燃費・電費の改善による走行可能距離の延長や車内空間の拡大があり、電動車のギヤボックスには、効率向上と共に省スペース化が求められている。このためギヤボックス用の軸受には、今まで以上にエネルギー損失の低減かつ小型軽量化が必要とされている。
 一方、転がり軸受の中で、円すいころ軸受は玉軸受に比べ負荷容量が大きいため、ギヤボックスの小型軽量化にメリットがある反面、ころ端面-内輪つば面間で潤滑不足の際に焼付き易く、供給潤滑油量低減や潤滑供給システムの簡略化が困難という課題があった。

 開発品は、潤滑不足の際の焼付きを防止するために、保持器ポケット部のころ端面と接触する部位に微細溝を付加することで、毛細管現象により潤滑油を保持する機能を持たせた。潤滑不足の際には、微細溝からころ端面に給油されるため、以下の効果を発揮する。

1. 潤滑油が遮断された走行モードで約7倍の耐焼付き性を実現
 電動車には、潤滑ポンプが停止する電動走行モードや、潤滑油粘度が極めて高い極低温での発進など、潤滑油が軸受に供給されにくいモードが存在する。開発品は、潤滑油が遮断された走行モードにおいて、軸受が焼付くまでの時間を弊社標準品に対して約7倍に延長することが可能となる。

2. 供給潤滑油量を95%以上削減可能 ~攪拌損失ゼロを実現~
 ギヤボックス内の軸受は、油潤滑方式の場合、潤滑ポンプによる強制潤滑や油浴、飛沫潤滑環境下で使用される。開発品は、焼付きを防止するための供給潤滑油量を弊社標準品に対して95%以上削減可能なため、潤滑ポンプの小型化と潤滑油の攪拌損失ゼロを実現する。

3. 軸受の省スペース化を実現
 開発品は、保持器形状の最適化によって、軸受幅の短縮が可能となり、同社標準品に対して軸受の体積で約10%、質量で約5%の削減を実現する。

 この開発品は、希薄潤滑環境下での耐焼付き性を飛躍的に向上させることにより、ギヤボックスの信頼性の向上や潤滑システムの簡略化、高効率化、省スペース化を実現する。NSKは、本製品の売上として2025年に年間20億円を目指す。

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