MHPS:発電効率は、世界最高クラスの64%、次世代1650℃級JAC形ガスタービンの長期実証へ向けて高砂工場GTCC実証発電設備(第二T地点)が定格出力達成
- 2020/04/02
- Motor Fan illustrated編集部

三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、世界で初めてガスタービン入口温度1650℃の高温化を達成した次世代高効率ガスタービン「JAC(J-series Air-Cooled)形」の長期実証に向け、高砂工場(兵庫県高砂市)内に鋭意建設を進めてきた実証設備複合サイクル発電所第2号発電設備(通称:第二T地点)の稼働を開始し、このほど定格運転状態(ガスタービン入口温度1650℃、コンバインド出力56.6万kW)を達成した。

稼働を開始した第二T地点は、1997年から2019年まで運転された第1号発電設備(通称:T地点)のリプレース設備として建設されたもので、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた最新鋭のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)実証発電設備だ。この設備の設置目的は、地域の電力網に接続された状態で、実際の発電所と同じ運用を行ないながら、新開発技術の長期的な信頼性検証を行なうことであり、他に類を見ない設備である。MHPSの河相 健社長兼CEOは、第二T地点について次のように述べた。
「私たちは長年にわたり、T地点での実証を通して、信頼性の高い最先端のソリューションを開発・製造してきました。今後、第二T地点を活用することにより、世界中でより高度化する発電要求に引き続き真摯に応えていきます」
第二T地点に導入されたJAC形ガスタービンは、タービン入口ガス温度を高めるとともに、燃焼器の冷却に最新の空気冷却システムを採用することで、高い発電効率と窒素酸化物(NOx)排出の低減を両立した環境にやさしい最新鋭機であり、さらに、従来機より起動時間を短縮するなど運用性にも優れている。JAC形ガスタービンの導入により、GTCCとしての発電効率は、世界最高クラスの64%に達する。また、JAC形ガスタービンを含むMHPSのJ形シリーズは、長時間にわたる運転実績と99.5%以上の高い信頼性により顧客からの信頼を勝ち取り、MHPSの主力機種として世界中の安定した電力の供給に貢献している。
第二T地点の長期実証運転は、遠隔監視センター(RMC:Remote Monitoring Center)から行なわれ、タービンなどの主要機器のみならず、ポンプやファンなどの補機を含めたプラント全体の信頼性を上げるとともに、起動時間の短縮や運転パラメーターの自動最適化など、デジタルソリューション「MHPS-TOMONI」に搭載された各種アプリケーションの検証を行ない、将来的には自動自律運転の実現を目指す。
MHPSは、このほど稼働を開始した第二T地点を活用しながら、次世代技術の開発検証を加速し、高い信頼性で環境にやさしいGTCC発電設備を世界に供給することで、世界の電力安定供給と低炭素化社会の実現へ向けて貢献していくという。

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