建設機械・鉱山機械向け、異物混入潤滑下で標準品比6倍以上の長寿命化を実現 NTN:特殊熱処理技術により長寿命化を実現した「ETFA 軸受」を開発
- 2020/10/08
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MotorFan編集部

NTNは、建設機械や鉱山機械など過酷な使用環境での用途向けに、特殊熱処理技術により耐異物性を強化し、異物混入潤滑条件下で同社標準品と比べて6倍以上の長寿命化を実現した円すいころ軸受「ETFA 軸受」を開発した。
建設機械や鉱山機械などは、運転時に強い衝撃や振動が発生すると同時に、軸受の内部に異物が混入するような過酷な環境で使用される。NTNでは、これまでこうした厳しい使用環境の建設機械や鉱山機械向けに、浸炭鋼を用いた円すいころ軸受の標準品「4Top」シリーズのほか、材料の変更や熱処理加工により長寿命化を図った「ETA 軸受」を展開してきた。しかし近年は、建設機械はIoT化に伴い、無人稼働機の信頼性向上やライフサイクルコストの削減が求められており、使用される軸受についてもさらなる長寿命化や装置のコンパクト化を図るための小型化・高負荷容量化が必要とされている。

今回開発された「ETFA 軸受」は、浸炭鋼に新たな熱処理(ETFA 処理)を施すことで、異物混入潤滑条件下で、標準品と比べ6倍以上、ETA軸受と比べても2倍以上の寿命を持つことを確認している。 また、清浄油条件下においても、基本定格寿命に対して十分長寿命であることを確認されている。
適用した ETFA 処理は、NTN が開発した軸受鋼の特殊熱処理(FA 処理)技術を浸炭鋼に応用したもので、 熱処理条件とその管理を改善・強化することで、ETA 軸受と同様に、適度に炭化物と残留オーステナイトを分散させた組織としつつ、旧オーステナイト結晶粒を一層微細化し、長寿命と高いロバスト性(耐異物性)を両立している。長寿命化により、より小さいサイズで軸受寿命を維持できるため、装置のコンパクト化にも貢献するという。
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