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豊田自動織機:FCエアコンプレッサーと水素循環ポンプを新開発、 トヨタ新型MIRAIに搭載 

  • 2020/12/11
  • Motor Fan illustrated編集部
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エアコンプレッサー(左)と水素循環ポンプ(右)

豊田自動織機は、燃料電池向けのエアコンプレッサーおよび水素循環ポンプを新たに開発した。これらの製品は、12月9日にトヨタ自動車が発表した燃料電池自動車(FCV)、新型「MIRAI」に搭載されている。

 今回開発したエアコンプレッサーは、量産品としては世界初(同社調べ)となる「可動ローラー式増速機」を用いた遠心式を採用することで、従来モデルから24%の圧縮効率向上、35%の軽量化、45%の小型化を実現した。また、水素循環ポンプは、「新シール構造」を用いて、素材を従来のステンレス製からアルミ製に変更し、41%の軽量化を実現した。

 なお、新型「MIRAI」には、上記の他、豊田自動織機製のカーエアコン用コンプレッサーおよび水素循環ポンプ用インバーターが搭載されている。

FCVにおけるエアコンプレッサーおよび水素循環ポンプの役割

 FCVは、酸素と水素をFCスタック内で反応させることにより発生した電気を用い、モーターを駆動して走行する。酸素はエアコンプレッサーにより大気を吸引・圧縮して、FCスタックへ供給される。また、水素は水素ステーションにて充填された高圧水素タンクから供給される。さらに、発電時、未反応だった水素と発生した水は、水素循環ポンプによりFCスタックから吸引される。水素は再度FCスタックへ送られ無駄なく使用されると共に、余分な水は外部に排水される。

エアコンプレッサー

 FCVは、始動後、絶えず酸素と水素をFCスタック内で反応させるため、エアコンプレッサーはアイドリング時の小流量から加速時の大流量まで、効率よく大気を吸引・圧縮することが求められる。豊田自動織機は、カーエアコン用コンプレッサーで培った圧縮技術をベースに、エアコンプレッサーの空気圧縮部を、量産品としては世界初(同社調べ)となる「可動ローラー式増速機」を用いた遠心式に変更した。「可動ローラー式増速機」を用いることで、圧縮部のインペラーを自動車エンジン用ターボチャージャー並に超高速回転(183,700r/min)させることが可能になり、新型「MIRAI」の高出力化に大きく貢献している。

 さらに、増速機内部の可動ローラーが空気流量の変化に対応しながら最適位置に動き、モーターからインペラーへ動力を伝達することで、小流量時・大流量時共に効率的に空気を圧縮し、従来モデル比で圧縮効率を24%向上させることができた。同時に、35%の軽量化、45%の小型化も実現している。

 水素循環ポンプは、発電時、未反応だった水素と発生した水を、効率よく循環させることが求められる。今回開発した水素循環ポンプは、「新シール構造」を用いることで耐食性を向上し、素材を従来のステンレス製からアルミ製に変えることが可能になった。これにより、41%の軽量化を実現している。

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