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内燃機関超基礎講座 | トヨタ1GD-FTV:先鋭のみを追求せず、高耐久易整備性をも満足させる

  • 2021/01/24
  • Motor Fan illustrated編集部
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ステート・オブ・ジ・アート。鳴り物入りで登場したトヨタのエンジンならだれもがそう思う。もちろん性能は世界随一。しかしねらっている方向ははるかに広いユニットである。

SUV/ピックアップトラックへの搭載を主としたGD型は、われわれにとっても馴染みのある、いわゆる働くクルマのディーゼルエンジン高機能版である。長年にわたって世界中で称賛を浴びてきた先代KD型のあとを襲うだけに、長寿命高耐久といった堅牢性はもちろんのこと、環境対応やパフォーマンスの発揮にいたるまで、全方位での高い性能を求められた。燃焼室やブロックの水路設計による冷却損失の回復、ポート配置による燃焼の改善と過給効率の向上、各種コンポーネントの最適化設計による機械損失の低減などを含め、最大熱効率は44%、200g/kWhの最小燃料消費率を実現している。グローバル対応だけに、後処理装置にはSCRを採用した。

現状では縦置き+後輪駆動が主設計。写真は日本仕様のプラドのもので、フロントデフをよけるためにオイルパンが大きくえぐられているのが特徴だ。
ディーゼルエンジンの性能を大きく左右するだけに、トヨタは可変容量ターボを内製する手段をとった。タービン/コンプレッサーともにホイール形状を最適化、高効率の過給を実現している。可変ベーンは熱の影響を最小限に抑える設計としてクリアランスを低減、いずれの角度においても高効率を追求した。
ピストンには冠面に遮熱皮膜を施し、冷却損失を大きく抑えるのに成功している。
KD型(左)はスワールのために、回り込むような吸気ポートの設計。これにはシリンダーヘッドのスタッドボルトが6本/気筒という構造も関係していた。GD型(右)はスタッドを4本化、ポートの配置を低圧損低流動設計とした。
ターボ直後で酸化触媒/DPFによって処理されたあと、図に示すシステムに排ガスが流入する。SCR触媒は2段構造、最終段はアンモニア臭を除去する触媒で、NOx浄化率は99%以上を誇る。尿素水の補充スケジュールを油脂類のメインテナンスとそろえるべく、タンク容量などが定められた。
従来の開発は「実際にやってみて課題を抽出し、改良を施す」という繰り返しで、どうしても多くの時間を要していた。今回の開発では「燃焼設計」と称する手法を導入。燃費の制御要素としての熱発生時期、燃焼音の制御要素としての熱発生率に着目し、シミュレーションを用いて噴射時期/回数、量や噴射圧を定めていった。
KD型に比べて、燃料流路長は同等ながら、コマンドピストンを廃したことで筐体が著しく小型化されているのがわかる。これによりリーク量を減らすことができ、結果最高噴射圧を2000barから2500barまで高めている(GD型は2200bar)。

■ 1GD-FTV
エンジン形式  直列4気筒 DOHC
排気量 2754cc
内径×行程 92.0×103.6mm
圧縮比 15.6
燃料供給システム  コモンレール(2200bar ソレノイド)
過給システム VGターボ×1
可変動弁 EX:VVT
EGR HP/LP
最高出力 130kW/3400rpm
最大トルク 450Nm/1600-2400rpm
排気後処理装置 DOC+DPF+SCR
エミッション Euro 6
トランスミッション 6AT
(ランドクルーザー プラド)

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