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内燃機関超基礎講座 | クランクシャフトの構造をまとめてみた:構造と各部の役目

  • 2021/02/28
  • Motor Fan illustrated編集部
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エンジンの運動を出力する軸であり、シリンダーヘッド&燃焼室から発生したエネルギーを最終的に動力として取り出すための扇の要がクランクシャフト。まさにエンジンの“腰“である。

ピストンの往復運動はコンロッドによって回転運動に変換され、クランクシャフトに伝えられる。エンジンの正味出力を計測する場合は、クランクシャフト軸で計測することからもわかるように、原動機の核となる部品である。

■ メインシャフト:写真では、こちらがメインプーリを装着する側。回り止めのためのキー溝が見える。逆側はフライホイールをとめるねじ部を設けるために大きな円形ブロック状になっている。ともに、オイルシールを介してエンジンの外側に飛び出る部位である。

■ カウンターウェイト:クランクピンと逆側に設けるおもり。ピストン/クランクの上下運動にともなう一次振動をキャンセルさせる。クランクアームすべてにウェイトが備わるのがフルカウンター、どちらか片方を省略するのがハーフカウンター構造で、後者は回転バランスに元々優れる直列6気筒などに用いられる。

■ クランクピン:コンロッドのビッグエンド側をつなぐ部位。ベアリングメタルを介してボルト締結する。V型エンジンの場合、対向するバンクのシリンダーとクランクピンを共有するため、ご覧のように幅が広い。バンクオフセットを少しでも解消するために、クランク中心とメタル中心を一致させないケースもある。

■ メインジャーナル:シリンダーブロック側の受けに載せる部位。もう片側はベアリングキャップで留め、ボルトで締結して固定する。黒く開いているのはオイル供給のための穴。キャップ部からオイルを入れ、遠心力を用いてクランクピンへ送る。斜めにドリルホールを通すので、表面に見える部分が楕円というわけだ。写真の場合、いちばん奥は隠れて見えていない。

シリンダーの数や形式によって形状は異なるが、コンロッドを結合するピンと、シリンダーとクランクケースに支持されるジャーナル部分がコの字型に成形されているため、回転によってねじり応力を受ける。従って剛性を高めないと振動の発生原因となり回転も上げられない。そのため全長が長くなる直列エンジンでは6気筒が限界とされ、多気筒化には構造は複雑でも全長が短く剛性の確保できるV型がセオリーとなる。

V型では隣り合うコンロッドでピンを共用するが、V6では理想バンク角である120°以外では点火間隔を均等にするためにピンをオフセットする。180°Vと水平対向ではクランクの形状が全く異なることに注意。

等間隔点火のためのピンオフセット:V6エンジンを等間隔点火とするには、720度÷6=120度という数字が得られるが、市販車のエンジンルームに搭載するにはバンク角120度は広く現実的ではない。そこで、クランクピンをオフセットさせ等間隔点火とし、バンク角も狭く設定する方法が一般的である。たとえば写真左のGMの60度バンクの場合はピン(赤)配置を60度をずらす(赤丸)必要があり、ピン間にクランクウェブ(青)を介している。右写真のメルセデスは90度バンク(30度ピンオフセット:赤丸)構造。
クランクシャフトは製法別で組立式と一体式に大別される。一体式の場合、後述のクロスプレーン構造だとピンやカウンターウェイトが同位相で並ばないため、鋳型から抜くことができない。そこで、鍛造直後の熱間時にねじってピン位置を動かすツイスト工法が編み出された。
フラットプレーン/クロスプレーン:V8エンジンを等間隔点火構造とするためには、720度(4ストローク機関の1サイクル)÷8=90度となり、バンク角もほぼ例外なく90度に設定される。いっぽうでクランクピン配置については、180度位相のフラットプレーン(左)と90度位相のクロスプレーン(右)がある。前者はバンク間同士の排気干渉がないことから高回転型のユニットに、後者は振動特性に優れるメリットがあるため一般的なV8ユニットに用いられる。
ベアリングキャップ:シリンダーブロック下面にクランクシャフトを収める際、ベアリングキャップをひとつずつ留めるのではなく、一体型のはしご形状として固定することで、クランクの暴れを最小限に抑えるのが振動には有利である。写真のシボレー・コルベット用のシリンダーブロックは5ベアリング構造。当然、支持数が多いほうが有利だが、廉価版エンジンでは左右端および中心部のみ支持する3ベアリング構造というエンジンも存在する。
水平対向エンジンの場合、構造的にディープスカートは不可能。半面、左右ブロックが互いを強固に締め付け合う構造のため、クランク支持剛性を高くすることができる。ピン配置は180度位相。前後長を抑えたいためクランクウェブは可能な限り薄くされ、その様相をもって「カミソリクランク」と称される。ちなみに、相対する気筒のクランクピンを共有していればV型エンジンであり、水平対向エンジンとは区別する必要がある。

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