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東レ:X線シンチレータパネルの耐久性を向上する新技術を開発

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X線シンチレータパネル構成図(左)と 輝度変化比較(右)

東レは、非破壊検査に用いるX線シンチレータパネル※1の耐久性を大幅に向上する新技術の開発に成功した。

 本技術を適用したシンチレータパネルをX線検査機器に用いることで、X線検査のランニングコストを大きく低減することが可能である。現在サンプル販売を開始しており、シンチレータパネルの生産拠点である東レ滋賀事業場にて、2021年7月から本格生産を開始する。

 X線検査装置の検出器は、一般的にX線を可視光線に変換するシンチレータパネルと可視光線をデジタル画像に変換するフォトセンサーパネルで構成されている。従来のシンチレータパネルはX線照射により輝度劣化が進むことが知られている。特に、連続稼働や高速での検査を実施する産業用途のX線撮影装置では、X照射線によりシンチレータパネルの輝度劣化が顕著に進行するため、検出器を定期的に交換する必要がある。

 これに対して東レは、様々な角度から劣化解析を進め、X線照射によるシンチレータの輝度劣化要因を突き止めた。そして長年蓄積してきた材料設計技術や製造プロセス技術を活用し、高耐久性X線シンチレータパネルの開発に成功した。X線照射の加速試験(社内評価)を実施した結果、従来技術によるシンチレータパネルでは輝度が30%低下するのに対し、新技術のシンチレータパネルでは約2%と、輝度劣化を10分の1以下に抑えることを確認した。

 シンチレータパネルは医療用途で広く使われており、東レは、医療用X線シンチレータパネル製品を提供してきた。今回の新技術で、連続的にX線を照射する、産業用のX線撮影装置に適したシンチレータパネルを開発した。X線による非破壊検査のランニングコストを大幅に低減することが可能なため、今後、自動車部品、航空機部品、電子部品等に加えて、各種電池部材や水素タンクなどのエネルギー分野、食品分野など、非破壊検査による異物やボイドなどに対する高い品質管理が必要な幅広い産業分野への展開を進めていく。

 東レは、今回の新技術を当社独自のセル方式X線シンチレータパネル※2による高精細技術や、画像のブレを抑制する高速化技術と組み合わせた製品開発も推進している。市場ニーズに応え、高性能でありながら、より長寿命で、高精度のX線検出器の提供を目指し、脱炭素社会に向けた新エネルギー関連産業など、品質要求が高い分野へのX線撮影用途拡大に貢献していく。

※1 X線シンチレータパネル:X線によって励起され、蛍光(シンチレーション)を発光する物質であるシンチレータをパネル状にしたX線撮影装置の部材。
※2 セル方式X線シンチレータパネル:X線を可視光に変換するシンチレータ物質が隔壁によって区画されたもの。隔壁によって可視光の拡がりが抑制されるため、非常に鮮明なX線画像を得ることができる。

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