三菱重工: 高効率ガスコージェネレーションシステムの共同開発について

大阪ガスと三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は、新型の発電出力850kW級ガスエンジンコージェネレーションシステムを共同開発した。

2022年春の稼働開始が予定されている新型コージェネ初号機については、MHIETが製作を担い、大阪ガスの100%子会社であるDaigasエナジーがエネルギーサービス契約(注1) に基づいて顧客へ導入する。

新型コージェネは、2003年に大阪ガスとMHIET(当時、三菱重工)が共同開発した発電出力815kW級ガスエンジンコージェネレーションシステム(以下「従来型コージェネ」)を大幅に改良し、開発された。停電発生時にはガスを燃料として発電し、必要な設備に電力を供給するBCP(注2) 対応機能や設置スペースはそのままに、燃焼の最適化や高効率部品の採用などにより、出力アップと効率アップを両立し、発電出力850kWで世界最高クラスの発電効率41.9%を実現している。新規導入ニーズに対応するだけでなく、2004年以降国内で導入されている従来型コージェネの更新需要に応えることを目的として新たに開発されたものである。Daigasエナジーは、新型コージェネをはじめ、顧客の状況に合わせた最適なコージェネを提案するとともに、効率的なエネルギーの運用をサポートする。

近年、省エネルギーや低・脱炭素化を推進する観点に加え、停電時にBCP対応を実施する観点からもコージェネへの期待が高まっている。2050年のカーボンニュートラル社会実現に向け、Daigasグループは2021年1月に発表した「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」に基づく取り組みを推進しており、三菱重工グループはグループの総力を結集しエナジートランジションの事業強化に戦略的に取り組んでいる。

(注1)エネルギー設備を顧客に販売するのではなく、Daigasエナジーが顧客の敷地内の施設に設備を持ち込み、イニシャルレスを実現する契約。
(注2)BCP(Business Continuity Plan)とは、災害や有事に備える事業継続計画。
(注3)強靭性、回復力、弾力性などを意味し、具体的には災害に強いインフラの整備、早期復旧のための事業者との連携強化、情報発信の強化などといった取り組みを指す。

ガスエンジン
コージェネレーション

新型850kWコージェネの特長

(1)出力850kW級で世界最高クラスの発電効率41.9%を実現

  • 従来型815kWコージェネをベース機とし、水冷ターボチャージャなどの高効率部品の採用や燃焼を最適化
  • 従来型815kWコージェネとの比較で約4.3%の高出力化および発電効率0.5%の高効率化

(2)BCP対応を実現

  • 従来型815kWコージェネの特長であった停電対応機能も搭載し、停電時に必要な設備へ給電が可能(防災兼用機対応も可能)
  • 従来型815kWコージェネと同一の初期負荷投入率30%を実現し、従来型815kWコージェネ245kWに対して255kWまで初期負荷投入出力をアップ
  • 今後、停電時に冷却水補給が不要なラジエータ冷却仕様についても対応予定

(3)従来型815kWコージェネと同一スペースを実現

  • パッケージ内機器レイアウトを最適化し、従来型815kWコージェネと同一の設置スペース
(注1)都市ガス13A 低位発熱量40.6MJ/Nm³において。
(注2)O2=0%換算において。希薄燃焼および尿素脱硝。オプションで40ppmまで対応可能。

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