三菱重工:国内初、マイナス25℃冷凍倉庫対応レーザー誘導方式無人フォークリフトを共同開発

三菱重工と三菱重工グループの三菱ロジスネクストは、マイナス25℃冷凍倉庫対応レーザー誘導方式無人フォークリフト(レーザーAGF)(注1)「PLATTER Auto 冷凍倉庫仕様(1.5~3.0トン積)」を、ニチレイロジグループ本社と共同開発した。2022年6月6日より全国の三菱ロジスネクスト販売店を通じて販売される。

マイナス25℃クラスの冷凍倉庫においては霧や結露がレーザーAGF運用の障害となるため、走行ルート上の床面に磁気棒を敷設する磁気誘導方式のAGFを導入する必要があった。今回の新機種は、マイナス10℃クラス対応のレーザーAGFをベースに、磁気誘導方式AGFで培った冷凍環境対応部品、マイナス25℃クラスに対応した電装品やセンサーを採用し、防錆対策を実施した車両での実証実験などを経て国内初の製品化を実現したものである。これにより、従来からの課題である低温環境下における作業者の負担や、慢性的な人手不足による業務稼働の不安といった課題を解決する。

冷凍冷蔵倉庫温度帯別での無人フォークリフト対応実績

三菱ロジスネクストは2020年から、冷凍倉庫における業務革新に取り組むニチレイロジグループと共同で、冷凍冷蔵倉庫に対応できるレーザーAGFの開発を進めている。ニチレイロジグループ傘下のニチレイ・ロジスティクス関西(本社:大阪市)の大阪埠頭物流センターにおいては、冷凍倉庫内での活用を想定したPLATTER Auto2台による実証実験や低温環境下での稼働試験などを実施してきた。

三菱重工と三菱ロジスネクストは今後も、AI(人工知能)や機械学習を用いた自律化・知能化ソリューション「ΣSynX(シグマシンクス)(注2)」の物流機器への搭載など、グループの総合力を生かした製品の開発に取り組んでいくとともに、物流業界のさまざまな課題に対して最適なソリューションを提供していく。

(注1)レーザースキャナで反射板をスキャンし、車両の現在地を認識しながら走行するAGF(Automated Guided Forklift:無人フォークリフト)。
(注2)三菱重工グループ製品全体をAIで自律化・知能化するソリューションコンセプトで、「予測計画」「遠隔制御」「人機協調」「システムプラットフォーム」「検証評価」「遠隔保守」といったコア技術から構成されている。

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部