愛知製鋼が生産するリードフレームは電動車のモーター電力制御などを行なうパワーカードに必要不可欠な放熱部品で、電動車向けに高いシェアを獲得している同社スマートカンパニーの基幹事業の一つである。愛知製鋼はリードフレームの生産にあたり、電子部品工場(愛知県東海市)および岐阜工場での2拠点体制を2018年から確立し安定供給に貢献してきたが、生産の急拡大に向けた生産能力増強と更なる燃費改善に向けた小型・軽量化への対応が課題であった。
第3ラインでは、長年培ってきた加工技術を更に進化させ、精密プレスの高速化とめっき表面の高清浄化・均質化に加え、独自設計の自動画像検査装置の導入による全数検査の高速化・省人化が実現された。これにより更なる高品質化と従来比1.5倍の生産性を両立し 、将来の需要増を見据えた革新的なライン設計となっている。
本ラインでの量産開始により、愛知製鋼のリードフレームの生産能力は計約7200万個/年(現在比約30%増)へと増大し、2030年ビジョンのスマートカンパニー売上高目標約600億円に寄与する。
■岐阜工場第3ラインの概要
(1)場所:岐阜工場内(岐阜県各務原市鵜沼大伊木町3丁目36番地)
(2)生産品目:パワーカード用リードフレーム
(3)生産能力:約160万個/月
(電子部品工場・岐阜工場含め)約600万個/月
(4)投資額: 約9億円