電気バスの普及を支援し、都市環境の改善と脱炭素社会の実現に貢献

日立:スウェーデンのバス事業者向けにEV充電システム「Grid-eMotion Fleet」を受注

日立ABBパワーグリッドは、スウェーデンの電気設備工事会社であるHolmbergs EL(ホルムバーグス・エル社)から、公共バス事業者である Svealandstrafiken(スヴェアランド交通)向けに、電気バス・商用電気自動車向けEV 充電システム「Grid-eMotion Fleet」および、充電状況を監視・制御するデジタル制御システムを受注した。
(画像:Svealandstrafikenのウェブサイトより)

 本システムは、ストックホルムの西約100kmに位置するヴェステロース市における、スヴェアランド交通の電気バス拡充プロジェクト向けに納入するもので、2022年の稼働開始を予定している。日立は、Grid-eMotion Fleet の提供を通じて、ヴェステロース市の電気バスの普及を支援し、都市環境の改善と脱炭素社会の実現に貢献する。

 スウェーデンは、パリ協定の目標である、2045年までの温室効果ガス排出量ネットゼロを実現するために、2030年までに、交通機関の温室効果ガス排出量を2010年比で70%削減することをめざしている。電気バスは、低速時の騒音や振動が少なく、排気ガスが出ないことに加え、kmあたりのエネルギー効率が高いことから、持続可能な交通手段として期待されている。スヴェアランド交通は、電気バス8台を含む非化石燃料のバスを300台以上所有しており、2022年中にヴェステロース市において、連節型の電気バスを新たに17台導入する計画を進めている。

 今回、日立は、スヴェアランド交通が新たに導入する電気バス向けに、直流送電技術を使用した電気バス・商用電気自動車向けEV充電システムGrid-eMotion Fleetと、充電状況を監視・制御するデジタル制御システムを納入する。Grid-eMotion Fleetは、交流を直流に変換する設備が不要なため、従来の充電システムと比較して設置スペースの最大60%削減と、ケーブル配線の最大40%削減が可能。また、モジュール式のため、将来的な充電設備の移設も比較的容易に実施できる。

 日立ABBパワーグリッドのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソン氏は「スウェーデンは、交通機関における温室効果ガスの削減と、大気環境改善による市民の健康向上という意欲的な取り組みを実施しています。Grid-eMotion Fleetの提供を通じて、ヴェステロース市の持続可能性に関する目標の達成に貢献できることを誇りに思います」と述べている。

Grid-eMotion Fleet について

 2020年7月に販売を開始したGrid-eMotion Fleetは、グリッド接続と充電システムを統合した、電気バス・商用電気自動車向けのEV充電ソリューション。従来の充電システムと比較して設置スペースがコンパクトであることに加えて、柔軟な拡張性も備えている。Grid-eMotionシリーズには、Grid-eMotion Fleetのほかに、停留所などのバスの運行ルート上に設置する超高速EV 充電システムGrid-eMotion Flashや、バスのエネルギー消費量の計算および、バッテリー残量・運行データの監視、充電ステーションの電力使用・エネルギー貯蔵・夜間充電の最適化などを行うデジタル制御システムe-meshがある。Grid-eMotionは、欧州、英国、オーストラリア、中国、インド、パキスタン、中東において、稼働中または展開中。

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