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カスタマイズに対応するコンポーネント
新型eスプリンターには、3つのモジュールからなる新しいコンセプトのもと、多くの技術革新が搭載されている。フロントモジュールは統一されたデザインのフロントフェイス。すべての高電圧コンポーネントを含み、ホイールベースやバッテリーサイズに関係なく、すべての車両バリエーションに変更なく組み合わせることができる。
2つ目のモジュールは高電圧バッテリーを内蔵。アンダーボディに配置されることで省スペース化を実現し、バッテリーが車軸の間に配置されたことにより、堅牢なバッテリーハウジングとともに低重心化を達成してハンドリングの安全性を向上させている。
モジュール設計の3つ目の柱は、電気駆動式リアアクスルを備えたリアモジュール。共通部品戦略の原則に基づいて、新型eSprinterのすべてのバリエーションで採用されている。コンパクトで強力な電気モーターもこのリアモジュールに組み込まれている。
新型eスプリンターのeATSの主要コンポーネントは、効率的なモーターと革新的な電動リアアクスルという2つの新開発品で、いずれもメルセデス・ベンツのバッテリー式バンに初めて採用されたもの。搭載される永久磁石同期モーター(PSM)は高い効率と熱管理が最適化されており、モーターのピーク出力値は135ps/203ps の2種類がラインナップ。両車400Nmの最大トルクを発揮する。
また、リアアクスルの電動化によって、従来のパネルバンに加えてキャブシャシーのバリエーションカスタムが可能になった。上部構造のカスタムをはじめ、車長(A2およびA3)、最大車両総重量(最大4.25トン)、トレーラー積載量(最大2トン)などで、様々なニーズに合わせて使用することができる。
豊富なバッテリーラインナップ
新型eスプリンターには、航続距離と積載量の要件に応じて、56kWh、81kWh、113kWhの3種類のバッテリーがラインナップされている。搭載される LFP(リン酸鉄リチウム)セルは、コバルトやニッケルを使用しないアクティブな熱管理によって効率が最大限に高められている。他のメルセデスの電動バン同様に、新型eスプリンターでは、交流(AC)/直流(DC)の両方で充電することができる。
ウォールボックスなどで交流充電する際に車両内の電流を変換するオンボードチャージャーは最大出力11kWまで、急速充電スタンドでは最大115kWまで充電することができる。急速充電に対応することで、10%から80%までの充電にかかる時間は、56kWhバッテリーで約28分、113kWhで約42分とかなり短くなっている。