ジェイテクト、令和5年度愛知発明表彰で「愛知発明賞」を受賞

ジェイテクトは同社の社員3名が愛知県発明協会主催の「令和5年度愛知発明表彰」で、愛知発明賞を受賞したことを発表した。4輪駆動車両の走行において、異音発生の原因となる駆動系部品の「ねじり共振」を抑制するシステムを開発したことが評価されたものである。

本発明の要旨

愛知発明表彰は愛知県の発明奨励・振興を図ることを目的に、愛知県発明協会の独自事業として昭和55(1980)年度から実施されているもの。技術者・研究開発者のモチベーション向上などを目的に、毎年6月に表彰式が行なわれ、県内の優秀な発明者が表彰される。

今回ジェイテクトが受賞した本発明は、主に前輪駆動車両をベースとした「オンデマンド4WDシステム」に搭載され、エンジンから出力される駆動力を後輪に配分する電子制御カップリング(ITCC)に関する技術。「オンデマンド4WDシステム」では滑りやすい路面での発進時に、前輪と後輪で駆動力が伝わる時間に差が生まれると前輪と後輪が交互にスリップしてしまう。これにより駆動系の部品がねじれることで共振(ねじり共振)が起こり、不快な突き上げ音(ノイズ)が発生する一因となっていた。

本発明では、既存のセンサーを用いて前輪と後輪の車輪速の差の変化を基に共振の予兆を早期に検知し、電子制御カップリング(ITCC)が後輪に配分する駆動力を最適に制限することで、駆動系の共振を防ぎノイズを抑制する。

ジェイテクトでは、今回受賞した4輪駆動車の快適性向上に関する技術に留まらず、電動車の航続距離向上や走行安定性向上に貢献する製品を開発していく。

本発明の特許概要

特許登録番号:特許第5282597号
発明の名称:4輪駆動車両のクラッチ装置及び4輪駆動車両の駆動力配分方法
出願日:2009年2月16日
登録日:2013年6月7日

受賞者

愛知発明賞を受賞した(左から)永山氏、児玉氏、繁田氏

自動車事業本部駆動CE室:
繁田良平(しげた・りょうへい)プロジェクトマネージャー
1996年入社、東京都出身

自動車事業本部制御・SW技術部制御技術室:
児玉 明(こだま・あきら)主任
2000年入社、大阪府出身

永山剛(ながやま・ごう)
2005年入社、富山県出身

 

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