レゾナック、EVモーターの高強度と磁気特性を両立する異方性ボンド磁石の製造技術を開発

レゾナックはモーターの性能向上に貢献する、高強度と磁気特性を両立した異方性ボンド磁石の製造に関する新技術を開発し、特許を取得したことを発表した。

ボンド磁石とは樹脂と磁粉を組み合わせた磁石で、小型・薄型・複雑な形状に加工でき、寸法精度も優れている。ボンド磁石には等方性磁石と異方性磁石があり、異方性磁石は磁気特性に優れるため、電気自動車(EV)に使用されるモーターや電動工具、家電など幅広い用途での活躍が期待されている。また、粉末状の磁性材を焼き固めた磁石焼結よりも軽量で、電気抵抗値が高いため熱損失が少なく、効率の良いモーターを作製できるといったメリットがある。


一方で、異方性ボンド磁石の技術課題として高強度と磁気特性の両立が挙げられる。磁気特性を高めるためには、磁粉と樹脂で成形する際に磁粉の向きを揃えて異方性を持たせるが、高強度な樹脂を使うほど磁粉の向きは揃え難いという相反性がある。今回、レゾナックはこの課題に対し、高密度成形技術、および樹脂・潤滑剤を最適化する技術を開発することで解決し、特許を取得した。本特許は広く技術を保護できるものであり、今後の技術の発展に活用される。

なお、ボンド磁石に関しては、本特許以外に耐環境性ボンド磁石材料や周辺材料に関する特許も取得しており、知的財産(IP)が有効活用される計画となっている。

ボンド磁石の整形例

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