ヤンマーES、次世代エネルギー機器の実証施設「YANMAR CLEAN ENERGY SITE」を開設

ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーエネルギーシステム(以下、ヤンマー ES)は、ヤンマーES の岡山試験センター内に、脱炭素化の実現に貢献する水素発電システムなどの実証施設「YANMAR CLEAN ENERGY SITE」を 2023年9月1日(金)に開設した。ヤンマーグループでは、「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を掲げ、同社だけに限らず、顧客の脱炭素化実現に向け、再生可能エネルギー(以下、再エネ)や水素などの環境に配慮したソリューションの開発が推進されている。

施設概要

今回、ガスヒートポンプエアコン(GHP)やマイクロコージェネレーションシステム(CHP)を製造するヤンマーエネルギーシステム製造敷地内の岡山試験センターに、水素発電システムや蓄電池などのクリーンエネルギー機器の耐久試験や技術開発およびそれらを組み合わせた最適運用の実証試験を行なう本施設が設置された。

本施設は、下記3つの目的を実現するため、本施設に水素発電システムを中心としたクリーンエネルギー機器を設置し、研究開発が推進される。脱炭素の取り組みを検討中の顧客向けには、ヤンマーESの開発の現状への理解を深めてもらうための見学コースも準備されている。

  1. 実証:顧客のカーボンニュートラル化への取り組みを迅速にサポートできるよう、カーボンニュートラル関連の開発・実証試験を行なうこと
  2. 認知:ヤンマーES がカーボンニュートラル化への取り組みを行っていることを改めて知ってもらうこと
  3. 対話:顧客のカーボンニュートラル化への考えや課題を伺い、対話を通してともにその課題を解決していくきっかけの場とすること

開設日:2023年9月1日(金)
施設名:「YANMAR CLEAN ENERGY SITE」(ヤンマークリーンエナジーサイト)
所在地:岡山県岡山市東区西大寺新地 383-2 ヤンマーエネルギーシステム製造敷地内敷地面積:約 1,000 ㎡(見学者用ユニットハウス含む)

主な実証機器

1)水素発電システム

  1. 水素燃料電池発電システム ※自社開発中
    低騒音で天候に左右されないエミッションフリーかつ高効率な電力供給を行う。複数台連結により、必要な電力量に合わせたシステム提案も可能となる。
  2. 水素混焼エンジンマイクロコージェネレーションシステム ※自社開発中
    実績のある都市ガス仕様のマイクロコージェネレーションシステム「CP35D2」をベースに、都市ガスに水素燃料を混合した運転を可能にした熱電併給システム。都市ガス仕様と同様に複数台連結により、必要な電力量に合わせたシステム提案も可能となる。
  3. ドイツ 2G社製水素燃料エンジンコージェネレーションシステム
    需要に合わせた出力制御が可能で、水素運転による熱電供給で大型の案件にも対応する。ヤンマーの高いメンテナンス技術で、導入後のアフターサービスまで一貫して対応する。水素100%専焼用と都市ガス・水素混焼用の2台を設置している。

左から、水素燃料電池発電システム、水素混焼 CHP、都市ガス仕様 CHP
2G社製水素燃料エンジン CHP

2)エネルギーストレージシステム(蓄電池) ※自社開発中

太陽光発電や水素発電で創り出した余剰電力を蓄え、エネルギーの効率的・安定的運用に貢献する。

3)水素製造装置

イタリアの Enapter 社製の水素製造装置では、太陽光発電などの再エネからグリーン水素が製造される。太陽光発電や自社開発中のエネルギーストレージシステム(蓄電池)を組み合わせることで、グリーン電力の供給、デマンドに合わせた電力の確保など効率的な再エネ運用がサポートされる。

4)エネルギーマネジメントシステム(Y-EMS)

ヤンマー製品だけでなく、天候やエネルギー需給状況に応じてさまざまなエネルギー機器を制御し、最適な機器運用を支援する。

左:水素タンク・水素製造装置、右:エネルギーマネジメントシステム

見学者用のユニットハウス

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