近年、製造現場では省力化・省人化の実現のため、産業用ロボットや工作機械の導入が進むとともに、こうした機器における小型化のニーズが高まっている。OKI電線はこのようなニーズに応えるため、このたび、従来品比で最大約30%の細径化注2を実現した定格注3電圧30V以下の機器向けの超細径のケーブル2種を開発した。
「ORP-30Fケーブル」は産業用ロボットや工作機械などの可動部分に使われるロボットケーブルで、OKI電線が独自開発した強靭で滑性に優れた特殊エラストマー絶縁材注4の採用により、屈曲・摺動・捻回注5など機器のあらゆる動きに対応する高い可動耐久性を実現している。「OFV-30Fケーブル」は機器の固定部分に使われるケーブルで、優れた耐熱性を実現する架橋PVC(ポリ塩化ビニル)を採用している。
いずれのケーブルも絶縁材の薄肉成形と構造の最適化を図る製造技術の開発により、「ORP-30Fケーブル」では最小外径2.1mm、「OFV-30Fケーブル」では同2.7mmという業界トップクラスの細径を実現した。これにより、狭小部への配線が可能となり、機器の小型化に貢献する。さらに、外被に耐油性強化PVCを採用することで、外被を劣化させる原因となる切削液注6がかかるような厳しい使用環境にも対応が可能。
販売計画(「ORP-30Fケーブル」「OFV-30Fケーブル」合計)
販売開始時期 2021年9月9日
販売目標 2022年度1億円以上
注1:定格電圧30Vのケーブル外径(直径)において。2021年9月現在。OKI電線調べ。
注2:「ORP-30Fケーブル」は「ORPスリムケーブル・シリーズ」との比較において最大32%細径化。「OFV-30Fケーブル」は「OFVケーブル・シリーズ」との比較において最大31%細径化。
注3:指定された条件下での機器類の使用限度。
注4:ゴム弾性を有した高分子の合成樹脂。用途に合わせた配合により機能性を付加している。
注5:屈曲(左図青色矢印):同一箇所で曲げる動き。摺動(左図緑色矢印):Uの字状にスライドする動き(ケーブルキャリア収納)。捻回(左図赤色矢印):同一箇所で捻る動き。
注6:金属などの切削加工を行う際に、潤滑や冷却などの目的で使用される油剤。
ラインアップ
■ORP-30Fケーブル(可動部用途)
※全224品種をラインアップ
■OFV-30Fケーブル(固定部用途)
※シールド付きの全80品種をラインアップ
※AWG:電線の導体の太さを表す指標であるAmerican Wire Gauge(米国ワイヤー・ゲージ規格)の略称。