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開発の背景
樹脂すべりねじはモータなどの回転運動を直線運動に変換する商品である。静粛性やグリースを用いることなく使用できることが特長で、医療分野や半導体製造分野、食品機械分野などの各種搬送装置に多数採用されている。
今回、NTNは、ナットに樹脂のみを用いた樹脂単体型すべりねじよりも耐荷重性や耐久性、放熱性に優れるアルミ複合型樹脂すべりねじを開発し、試作品の提供および改良を経て販売を開始した。
本商品はアルミ合金製の基材とPPS樹脂複合材料を一体成形した複合ナットを用いており、アルミ合金に特殊表面処理を施すことで樹脂との高い密着性を実現。樹脂単体型と同様の各種サイズに対応する商品としてシリーズ化したことにより、置き換えはもちろん高速移動や高荷重領域など幅広い環境下で使用することができる。
■1. 耐荷重性・耐久性
アルミ合金製の基材とNTN独自のPPS樹脂複合材料の一体成形により、許容アキシアル荷重を樹脂単体型と比べて80%向上※2させている。アルミ合金製の基材の使用により、しゅう動部の温度上昇を抑制し、樹脂単体型すべりねじと比べて摩耗量が70%減少※2、長寿命化も実現した。
■2. 放熱性
アルミ合金製の基材の使用により、樹脂単体型すべりねじと比べて放熱性が40%向上※2。しゅう動発熱による周辺部品や機械への影響を抑えることが可能。
■3. グリースレス・静粛性
樹脂単体型すべりねじと同様にグリースが不要なため、メンテナンス回数の削減に寄与する。PPS樹脂複合材料は樹脂単体型と同様に摩擦係数が低く、高い静粛性を有している。
※2 軸径12mm、リード(ナットが1回転した場合に直進方向へ移動する距離)2mm仕様の場合。商品仕様や使用条件により異なる。