自動運転レベル3の現実「魔の10秒間」に潜むリスクとは

自動運転の技術進展には多くの課題が存在する。特にレベル3の自動運転では、システムが破綻した際にドライバーへ操作を引き渡すまでに約10秒の時間が必要とされる。この「魔の10秒間」は、車速が100km/hの場合、約278m進むことになり、危険な状況が生じる可能性が高まる。

この課題が解決されない限り、高速道路での自動運転が現実的には厳しいと考えられている。さらに、現行のセンサー技術では278m先の状況を完全に把握することは困難であり、そのため現在は60km/hまでに制限されている。

古川教授は、自動運転技術の開発において、技術的な限界とコストの問題が絡み合い、レベル3を実現すること自体がビジネスとして成功しにくいと指摘する。また、ADAS(先進運転支援システム)を進化させることが現実的であり、ドライバーがより安全に、そして快適に運転できる環境を整えることが重要だと考えている。特に、日本と欧州のADAS開発の違いについて言及し、日本車は安全性を重視する一方で、欧州車はドライバーの意志に沿ったアシストが行われる傾向があると述べた。

詳細を読む→自動運転における””魔の10秒””。システム破綻から受け渡しまでのリスクについて、電動モビリティ専門職大学の古川 修教授に訊く【AD/ADASの現状をおさらいする Vol. 3】

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