RA4E1は、Arm Cortex-M33コアを搭載し、最大動作周波数100MHz動作時で60µA/MHz、CoreMarkプログラム実行時では81µA/MHzという低消費電力を実現した。また、幅広い産業およびIoTアプリケーションのニーズに応えて、エントリ製品として周辺機能や通信インタフェースの最適化を図った。これにより、RA4E1は低消費電力が要求される、コスト重視の製品に最適である。同じくArm Cortex-M33コアを搭載する上位のRA4M3などへのマイグレーションも容易なため、ユーザ製品のスケーラブルな展開にも応える。
ルネサスのIoT・インフラ事業本部MCUユニット担当の執行役員であるRoger Wendelkenは次のように述べている。
「RAファミリは、性能、機能、設計のしやすさなどの価値をお客様に提供することにより、期待以上に数多くのご採用をいただいています。新たなRA4E1グループは、入手性に優れるエントリーラインへのニーズに応えるための製品です。設計者の方々には、幅広いRAファミリの製品群の中から、用途に応じて最適なRAマイコンを選んでいただけると確信しています」
RA4E1グループの主な特長
- 最大動作周波数100MHzのArm Cortex-M33を搭載、TrustZoneテクノロジに対応
- 256KB(キロバイト)~512KBのフラッシュメモリ、128KBのSRAMを搭載
- 動作温度範囲-40~85℃
- 48ピン~64ピンまでのパッケージラインアップ
- 100MHz動作時60µA/MHz、CoreMark プログラム実行時81µA/MHzの低消費電力
- USB2.0フルスピード、シリアル通信、Quad SPI、CANの各種インタフェースを搭載
- FLLを使用した高精度(±0.25%)オンチップオシレータ、アナログ機能、低電圧検出機能、内部リセット機能を搭載することにより、有効GPIO端子数が増加し、システムコストを低減
また、RA4E1 を手軽に評価できるよう、オンチップデバッガを搭載したプロトタイピングボード「RA4E1 Fast Prototype Board」を、20米ドル台(参考価格、税抜き)で提供開始した。
ルネサスのRAファミリは、現在、48MHzから200MHzまで、150製品以上をラインアップしている。RAファミリは、低消費電力性能に優れ、多様な通信インタフェースとArm TrustZoneテクノロジなど高いセキュリティ機能を搭載している。また、RAファミリを使用した機器の開発には、高性能かつ省メモリのドライバや、ミドルウェア、リアルタイムOSを含むFlexible Software Package (FSP)を用いることができる。FSPを用いた開発では、直感的なGUIによって簡単に開発を進めることが可能で、さらにユーザはこのFSPと組み合せて、従来のソフトウェアコード資産を再利用したり、Armの広範なエコシステムパートナのソフトウェアと柔軟に組み合わせて使用することが可能。これにより、市場投入までの期間を短縮することができる。