ルネサス:次世代E/Eアーキテクチャのエッジの進化に応える、車載アクチュエータ/センサ制御用16ビットマイコン「RL78/F24」「RL78/F23」を発表

ルネサス エレクトロニクスは、次世代E/Eアーキテクチャの進化に応えるため、車載アクチュエータやセンサ制御用途に向けて16ビットマイコンRL78ファミリを拡充し、「RL78/F24」「RL78/F23」を発表した。新製品のサンプル出荷は2022年4月から開始し、量産は2023年下半期の予定。

 ドメインやゾーンへのE/Eアーキテクチャの進化に伴い、クルマのライトやウィンドウ、ミラーなどのボディ制御、エンジンのポンプやファンなどのモータ制御、多数のセンサ制御などの制御メカニズムも変化する。こうしたエッジ側のECU(電子制御ユニット)は、今後、ドメインコントローラやゾーンコントローラといった統合ECUと、高速かつ安全に通信することが最も重要な要件となる。ルネサスはこの進化に応えて、セキュリティと通信、機能安全を強化した次世代アクチュエータ/センサ制御用マイコン、RL78/F24とRL78/F23を開発した。新製品は、高速通信プロトコルCAN FDに対応(RL78/F24)し、EVITA-Lightのセキュリティをサポート、機能安全ISO26262 のASIL-Bをターゲットとするシステムをサポート可能。

 ルネサスの車載デジタルマーケティング統括部、統括部長の吉田直樹氏は次のように述べている。
「E/Eアーキテクチャの進化に伴い開発負荷が増大しており、アクチュエータは効率よく開発したいというニーズは絶大です。新製品は、世界中で高い人気を誇るRL78/F14、RL78/F13の後継として、ソフトウェア資産のほとんどを再利用することができるため、コストとリスクを低減しながら、お客様のE/Eアーキテクチャの進化をさらに加速させます」

 車両の集中制御が進む一方で、アクチュエータ制御にもさらなる高機能、高性能化が求められる。新製品は従来製品から動作周波数を最大約70%高速化した。これにより、ブラシレスモータ制御(BLDC)では2倍以上の性能向上が期待できる。さらに、モータ制御用のハードウェアアクセラレータやタイマ機能も強化、12ビットA/Dコンバータも搭載したことにより、高機能、高性能化のニーズに応える。

 RL78/F24、RL78/F23の主な特長は次の通り。

  • 動作周波数 40MHz
  • CAN FD(RL78/F24)、LIN、SPI、I2Cなど、豊富な通信インタフェースを搭載
  • EVITA-Lightをサポート可能なセキュリティ機能(AES-128/192/256暗号化アルゴリズムに対応)
  • RL78/F14、RL78/F13とピン互換、低消費電力性能も踏襲
  • フラッシュメモリは128KBまたは256KBを搭載
  • 5×5mmの32ピンQFN小型パッケージから100ピンQFPパッケージまでラインアップ
  • 150℃までの高温動作に対応
  • RL78/F24用に、開発ボード「RL78/F24 ターゲットボード」と開発キット「RL78/F24 12Vモータコントロールエバリュエーションシステムスタータキット」を提供予定(開発中)

RL78/F24、RL78/F23の詳細については、下記URLを参照。
https://www.renesas.com/rl78f24
https://www.renesas.com/rl78f23

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