インド市場で圧倒的なシェアを誇るスズキが満を持して投入した直列2気筒800ccディーゼルエンジンがE08A型。スズキにはすでに鋳鉄製直列4気筒1300ccディーゼルがあるが、2気筒化とアルミブロック&アルミクランクケース化によって大幅な軽量化と省スペース性を実現している。エンジン単体重量は89kgで、1.3ℓ直4に対して30%も軽くなっている。
2気筒特有の振動対策としてはフライホイールの最適化が図られているというが、詳細不明。エミッション面ではインドの最新排ガス基準である「バーラト・ステージIV」(バーラトとはヒンディー語でインドを意味する)をクリアし、燃費はインド市場で最高となる27.62km/ℓを達成している。
燃料供給システムは同社の1.3ℓ直4ディーゼルのコモンレールに対し、こちらは分配装置型。小型フューエルポンプの採用などによってコンパクトなエンジンに最適化させている。既存の直4に対して57%の軽量化を実現した。
シリンダーブロックとクランクケースにはアルミニウム合金を採用し、2気筒化による恩恵も含め、鋳鉄製の1.3ℓ直4ディーゼルに対して60%もの軽量化を果たした。もちろんスペース面でのアドバンテージも計り知れない。
小型ターボチャージャー(図のピンク色の部分)と大型インタークーラー(同じく青色の部分)を採用し、低回転域での高トルクと燃費性能を両立している。ちなみに圧縮比は1.3ℓ直4の17.6に対してこちらは15.1まで下げられている。
SPECIFICATIONS 型式 E08A エンジン形式 直列2気筒DOHC 排気量 793cc 内径×行程 77.0×85.1mm 圧縮比 15.1 燃料供給システム 分配型燃料噴射装置 過給システム ターボ×1 可変動弁 × EGR × 最高出力 35kW/3500rpm 最大トルク 125Nm/2000rpm 排気後処理装置 × エミッション Bharat Stage IV トランスミッション 5速MT