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足回りと安全装備でファインチューン!
5速MTで楽しむお手軽サーキット仕様
多彩なオリジナルパーツのラインナップはもちろん、耐久レースを始めとするイベントも積極的に主催/サポートする軽自動車チューンのスペシャリスト“ナビック”。
今回ピックアップするのは、そんなナビックがデモカーとして仕上げた5速MT仕様のアルトバン(HA36V)だ。
「NAのアルトバンでサーキットを楽しく走るなら、当然ながら足回りのブラッシュアップがファーストステップですね。コーナーで狙ったラインをトレースできることが、楽しいクルマ作りの第一歩ですから!」と熱く語るのはナビックの吉田代表。
エンジンはノーマルのまま吸排気のみをオリジナルパーツで構成。コストをかけず、最低限のメニューで走れることを証明するためだ。
ナビック自慢のエアクリーナーキットは、吸入空気を整流しつつ流速を高めることを目的に開発された高機能パーツだ。流入口にはファンネル形状を採用し、さらにパイピングも80φから50φへと絞り込む設計となっている。
70φのデュアルテールが特徴的なエキゾーストマフラーはアルトバン(5速MT)専用の新作。安心の保安基準適合モデルだ。
足回りはオリジナルの車高調(F10kg/mm R8kg/mm)を導入し、走行シーンに合わせてセッティングを変更。トラクションスプリングを組み合わせることでコーナリング時の接地性を高め、タイヤをフルに使って曲がっていけるようにセットアップされている。
ホイールはナビックオリジナルで、サイズは14インチの5.5J+40。組み合わせるタイヤはディレッツァZIIIの165/55R14だ。
室内は内装パーツを撤去して軽量化を推進。乗員保護を目的にしたサイトウロールケージのロールケージや、高いホールド性を誇るレカロのフルバケットシートも導入。ベースがバンのため、タコメーターなど必要に合わせた追加メーターも取り付けられている。
ステアリングコラム横のスイッチは、ラインナップ製のサーキットアシスト。スポーツ走行する際に邪魔となる“ブレーキオーバーライド”と呼ばれる踏み間違い防止装置(アクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキを優先して作動させるシステム)を解除する電子パーツだ。
エクステリアを覆うエアロパーツはナビックの自信作。中でも走りの印象を高めるFRPボンネットは、軽量化と共にクーリング性能の向上を徹底追及した逸品だ。なお、製品には雨水の侵入を防ぐ脱着式カバーも付属する。
少し試乗させてもらったところ、足回りの完成度の高さに驚かされた。極めてベーシックなNAチューン仕様だというのに、まるでカートのような切れ味とソリッド感。常にタイヤが路面を捉えている感覚で、少々無茶をしても破綻せずコントロールできる。上位モデルのワークスと比べれば明らかに力不足だが、だからこそ一度立ち上がったパワーを無駄にしない走りを心掛けるようになる。心底、ドライビングを楽しめるのだ。
コスト度外視のハイレベルなチューニングを施さずとも、やり方次第で人馬一体の走りは生み出せる。それを証明するのが、このアルトバンというわけだ。
●取材協力:ナビック 京都府京都市山科区勧修寺御所内町128 TEL:075-575-4433
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